研究課題/領域番号 |
09660313
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
谷口 和之 (1998) 岩手大学, 農学部, 教授 (70148089)
小川 和重 (1997) 岩手大学, 農学部, 助教授 (60231221)
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研究分担者 |
平 秀晴 岩手大学, 農学部, 教授 (70045756)
OGAWA Kazushige FACULTY OF AGRICULTURE,ASSOCIATE PROFESSOR (60231221)
谷口 和之 岩手大学, 農学部, 教授 (70148089)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 内皮細胞 / カペオラ / 小胞 / 細胞間隙 / NEM / チャンネル / 透過性 / 血管 / カベオラ / 高分子輸送経路 |
研究概要 |
本研究で血管内皮細胞の高分子輸送経路の検出法を開発・確立した。細胞を固定後、トレーサー(HRP)を灌流する方法により、(1)細胞内の高分子輸送経路であるカベオラ-小胞性チャンネルはトレーサー陽性の基底側のカベオラとして、(2)細胞間の高分子輸送経路である細胞間チャンネルは全域がトレーサー陽性の細胞間隙として検出することができた。カベオラ-小胞性チャンネルは、これまでに存在が確認されていた細胞の辺縁領域の他に、中心領域にも存在することが明らかとなった。この領域では、切片上で通常エンドゾーム様構造体として観察される細胞膜の深い陥入部が、チャンネル形成に関与しており、新たな知見が得られた。また、細胞中心領域のゴルジ野などの小胞を除くと、ほとんどすべての小胞はHRP陽性であったため、動脈内皮細胞の小胞の大部分は細胞外に開口するカベオラであることが判明した。開発した方法は、大動脈(弾性型動脈)、外腸骨動脈(中間型動脈)、伏在動脈と冠状動脈(筋型動脈)、心臓の小・細動脈と毛細血管ならびに小・細静脈、冠状静脈など、実験対象としたすべての血管内皮細胞に応用することができた。ラット胸大動脈内皮細胞ではカベオラ-小胞性チャンネル頻度は、4.75±0.38%(平均±SE)であった。開発した方法は、薬剤投与による応用が可能であった。N-ethylmaleimide(NEM)投与群では、胸大動脈内皮細胞のHRP透過性は著しく上昇した。細胞間チャンネルの出現頻度は対照群で15.1±0.7%、NEM投与群で96.2±2.1%であり、両者に有意差が認められた(p<0.0001)。以上の結果から、カベオラ-小胞性チャンネルはトランスサイトーシスに代わる輸送機構であることが推察され、開発した方法に形態計測学的解析を加えることで血管内皮細胞の高分子透過性状を把握できることが示された。
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