研究課題/領域番号 |
09660314
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中山 裕之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40155891)
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研究分担者 |
上塚 浩司 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (60251419)
西原 真杉 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90145673)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | アポトーシス / 5-アザシチジン / PC12細胞 / リボソームタンパクL4(rpL4) / DNAメチル化 / 老化 / 発生 / 痴呆 / 神経細胞 |
研究概要 |
5-azaytidine(5AzC)は、cytidineのアナログで、ピリミジン環の5位の炭素が窒素に置換されている。投与した5AzCがDNAに取り込まれると、cytidine5位の炭素がメチル化されず、脱メチル化した遺伝子の活性化が起こると考えられている。5AzC誘発アポトーシスにおいては、遺伝子の活性化によって新たに合成された未知のアポトーシス関連タンパク質が関与していると推側され、このタンパク質の同定とその発現調節機構の解明とが最重要課題と思われた。そこで、本研究では5AzCの実験系を用いて、神経系におけるアポトーシス関連遺伝子・蛋白質の分離とその発生機序の解明とを試みた。 その結果、5AzC誘発アポトーシスの発現はDNA脱メチル化と深くかかわっていることが明らかとなった。また、5AzCで処置した株化神経様細胞の1種であるPC12細胞においてアポトーシスの発現直前にリボソームタンパクL4(rpL4)の発現増加が認められ、さらに、このタンパク質を強制発現させた細胞にアポトーシスが誘導されたことから、神経組織におけるアポトーシスの発現にrpL4が深く関係することが判明した。 一方、最近の獣医医療の進歩によってイヌ、ネコといった伴侶動物の寿命が飛躍的に延びこれにともなって痴呆様症状を示す老齢犬の数が増加してきた。我々は老齢痴呆犬の脳を調べ、アポトーシス細胞の増加が痴呆様症状の程度と深く関連していることを見出した。本研究では、老齢動物の脳でのrpL4を含めたアポトーシス関連遺伝子の発現を調べ、痴呆との関連を解明することも試みたが、残念ながらまだ十分な成果が得られていない。これについては今後の研究で明らかにしていくつもりである。
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