研究課題/領域番号 |
09660317
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
内藤 順平 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (30048467)
|
研究分担者 |
海老原 史樹文 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (50135331)
松島 俊也 (松鳥 俊也) 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (40190459)
蛭薙 観順 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (00126898)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 鳥類 / ヒヨコ / 感覚器 / 視覚 / 網膜 / 網膜節細胞 / 視蓋 / 両眼視 / ヒヨコ胚 / リズム / 網膜視蓋投射 |
研究概要 |
3つの点について報告する。1)電顕観察により、網膜視蓋投射線維の終末とそれらが終わる樹状突起は分岐して互いに複雑に絡み合い、大きな神経終末が樹状突起をおおうように接触して複合シナップスを形成する。哺乳類(ネコ、ウサギ、ハムスター)の上丘における視神経線維の終末形態と比較すると、(a)前シナプスと後シナプスの形態は非常に複雑に分岐している。(b)視蓋の複合シナップスは外側膝状体におけるシナプス糸球体より更に複雑であった。(c)上丘では視神経終末は大型から小型まで様々なものがあるが、ヒヨコではほぼ同じ大きさの終末が集団をなしていた。(d)後シナプスである樹状突起の形、大きさは上丘のそれに比べ、様々であった。これらのニワトリの網膜投射線維の終末形態の特徴は哺乳類とは異なり、非常に複雑であった。2)免疫細胞化学的検索により、網膜節細胞層におけるサブスタンス-P及びアセチルコリン受容体免疫陽性の網膜節細胞がそれぞれB層とF層へ層特異的に投射しており、B層へ投射する網膜節細胞は小型の細胞体で、樹状突起の分岐は単純で、数も少なく、樹状突起の広がりも狭い。一方、F層へ投射する網膜節細胞は形態学的に2種類以上のサブタイプに分類され、その内、今回は大型の細胞体をもち、樹状突起の広いが、比較的単純な分岐を示すサブタイプが同定された。3)行動学的にヒヨコの両眼視について調べた。ヒヨコの正確な啄み行動は本当に両眼視に依っているのか、胚齢4日で片眼を破壊し、両眼での視覚経験の全くないヒヨコを作製し、直径2mmの黒いビーズを正確に啄めるかを調べ、ビデオカメラに記録した。静置したビーズでも、動いているビーズでも正常なヒヨコの啄み行動のヒット率と有意の差はなっかた。また、孵化直後に片目の眼瞼を閉鎖したヒヨコでも同様な結果であった。更に実験を重ねる必要があるが、側頭眼を持つ鳥類では餌を啄むのには両眼視は必ずしも必要ないことを示唆してる。恐らく片目でも目標の位置を正確に予測出来るのは鳥類特有の網膜視蓋系の働きによるものと考えられる。
|