研究課題/領域番号 |
09670005
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
大谷 修 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (90127548)
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研究分担者 |
李 瑞錫 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (20303240)
大谷 裕子 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (10313595)
斎藤 麻由 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (70235076)
邵 旭建 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (40281018)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 横隔膜 / 胸膜 / リンパ管 / リンパ管小孔 / 個体発生 / 系統発生 / 微細構造 / リンパ管新生 / 電子顕微鏡 / リンパ管発生 / 酵素組織化学 / VEGF-C |
研究概要 |
我々は横隔膜と胸膜のリンパ管の分布、発生および機能、胸膜腔および腹膜腔とリンパ管を直結するリンパ管小孔の分布、微細構造および発生について研究を行い以下の成果を得た。 (1)ラットの肋骨胸膜におけるリンパ管小孔は肋骨胸膜肋骨下縁にそって集族しており、特に肋骨・軟骨境界部の下方に多い。小孔の大きさは12.9±10.3μm(平均±SD)で、肋骨胸膜全体で1mm^2に及び、胸水の吸収路として重要な役割を果たしていることが示唆された。 (2)横隔膜の排導リンパ幹の閉塞あるいは排導能力以上の腹水が貯留した場合、排導リンパ幹からリンパが漏出胸水を引き起こすことを明らかにした。 (3)ラット横隔膜におけるリンパ管とリンパ管小孔の発生過程を5'-ヌクレオチダーゼに対する酵素組織化学、および電子顕微鏡で調べ、リンパ管小孔の発生過程を明らかにした。ラットの肋骨胸膜におけるリンパ管小孔は横隔膜とほぼ同様の様式で、生後まもなく形成される。 (4)ラットにおいて、リンパ管小孔の大きさは、腹水の量に比例して大きくなることを明らかにした。 (5)系統発生。カエルでは非常に広い椎骨下リンパ洞が発達している。胸腹膜腔と椎骨下リンパ洞の間の膜にはリンパ管小孔が多数ある。サルの横隔膜におけるリンパ管分布とリンパ管小孔の微細構造と分布はラットの場合とほぼ同じである。鳥類、爬虫類についてはいまだ解明されていない。 (6)リンパ管新生機構の研究。(1)腹膜腔にDiI標識アセチルLDLを投与するとリンパ管内皮細胞に取り込まれ、共焦点レーザー顕微鏡下にリンパ管を観察できることが明らかとなった。これは横隔膜リンパ管研究に非常に有用である。(2)胎生期および生後1週頃までのラット横隔膜には、DiI標識アセチルLDLを取り込んだ管腔を形成していない細胞が多数遊走している。リンパ管は2つの様式、すなわち、すでに形成されたリンパ管からの発芽による形成(lymph angiogenesis)と、遊走してきた内皮細胞が集まって島状のリンパ管を形成し、それが互いに癒合する(lymph-vasculogenesis)様式である。
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