研究課題/領域番号 |
09670019
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
松野 健二郎 熊本大学, 医学部, 講師 (20094047)
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研究分担者 |
江崎 太一 熊本大学, 医学部, 助手 (10128259)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 肝臓 / 肝類洞 / 肝リンパ / 樹状細胞 / 細胞遊走経路 / クッパー細胞 / 細胞接着分子 |
研究概要 |
1 血管内投与した樹状細胞の生体内の動態 肝リンパの樹状細胞を精製し、ラットに静脈内投与すると、肝類洞から特異的に肝リンパ節に血液・リンパ転位をすることがわかった(論文および図書に発表)。つぎに、ラットで肝移植(論文発表)を行うと、ドナー組織適合抗原陽性の細胞が宿主脾臓に遊走するだけでなく、肝リンパから腹腔に漏れ、さらに縦隔リンパ節へ遊走する事が明らかになった。そして、多重免疫染色(論文発表)によりこの細胞は移植肝由来の未熟な樹状細胞であることがわかった(投稿準備中)。 2 肝臓における動態 クッパー細胞は肝小葉の周辺域に多く、特にラットでは、門脈が類洞に注ぐ入り口に門番のように複数局在しているのが見られた。樹状細胞を門脈内大量投与直後の肝臓を見ると、しばしばこのクッパー細胞にトラップされている像が観察された。故に、血管内投与した樹状細胞は類洞入り口のクッパー細胞に物理的・分子的作用を介して捕捉された後血管外に出て、すぐそばに始まるグリソン鞘に入り、門脈領域のリンパ管起始部に入ったことが示唆された(第103回日本解剖学会シンポジウム発表)。現在、さらに共焦点レーザー生体顕微鏡を用いた共同研究を慶大医化学の末松誠助教授とおこなっており、肝臓内での動態を生きたまま観察し上の仮説をほぼ実証しつつある(投稿準備中)。また、免疫電顕も進行中である。 3 凍結切片上細胞接着試験 樹状細胞は肝臓の凍結切片上でクッパー細胞と特異的に結合することがわかり、何らかの接着分子の存在が示唆された(論文および図書に発表)。また、細胞接着阻害試験により、細胞接着は糖鎖を介している可能性が強くなってきた。この春から、宮医大解剖の菅沼龍夫教授と共同研究を開始している。
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