研究課題/領域番号 |
09670035
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
藤本 淳 産業医科大学, 医学部, 教授 (80080547)
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研究分担者 |
工藤 秀明 産業医科大学, 医学部, 講師 (40289575)
土肥 良秋 産業医科大学, 医学部, 助教授 (30258602)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 血管内皮細胞 / エンドセリン-1 / カルシトニン遺伝子関係ペプチド / 低酸素血症 / in situ hybridization / ワイベル・パラーデ小体 / 免疫細胞化学 / エンドセリン受容体 / カルシトニン遺伝子関連ペプチド / ワイベル・パラーテ小体 / ワイベル・パラ-デ小体 |
研究概要 |
我々はエンドセリン(ET)-1とカルシトニン遺伝子関連ペプチドが血管内皮細胞で産生されたのち、Weibel-Palade(WP)小体に貯蔵され、WP小体の挙動に連動して細胞外に放出される機序を明らかとしてきた。本研究では、同細胞におけるWP小体数の増加と両ペプチド産生亢進の相関性を分子組織化学的に、ET-1のvasomotionの詳細な把握のためET受容体の局在を免疫組織化学的に、ET受容体とWP小体の動態の関連性を超微形態学的に検索することを目的として、以下の実験を展開した。 1. ラット急性低酸素血症実験群と対照群の大動脈と頸動脈小体動脈を比較したところ、血管内皮細胞のWP小体数は実験群で有意に増加しており、さらに、同細胞における両ペプチドmRNAの発現も実験群で有意に増強していた。したがって、WP小体数の増加と両ペプチドの産生亢進の相関性が確認された。2. 閉鎖循環回路を形成するラット腸間膜血管系を材料として、ET_A受容体とET_B受容体の局在に関する免疫細胞化学を施行したところ、ET_A受容体は上腸間膜動脈遠位枝中膜平滑筋細胞形質膜に、ET_B受容体は同血管系内皮細胞膜に免疫陽性反応を示した。ET-1投与により同動脈遠位枝に血管収縮が誘発されることから、このET-1のvasomotionはET_A受容体を介するものと推察される。3. 2で用いた血管系にET_B受容体の選択的主働薬であるサラホトキシンS6cを投与したところ、WP小体を多数含有する同動脈近位枝血管内皮細胞のWP小体に膨化・脱芯像と開口分泌による細胞外放出像が高頻度に観察され、WP小体の細胞外放出を血管内皮細胞膜のET_B受容体が媒介することが示された。WP小体はET-1の貯蔵・放出に関与することから、ET_B受容体がET-1の細胞外放出を媒することが推察され、同受容体の機能的意義は今後とも注目していくべきである。
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