研究課題/領域番号 |
09670052
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
矢田 俊彦 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (60166527)
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研究分担者 |
加計 正文 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (90214270)
塩田 清二 昭和大学, 医学部, 助教授 (80102375)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | PACAP / PACAP受容体 / オートクリン / インスリン分泌 / インスリン作用 / 脂肪細胞 / 分化 / グルコース輸送 / インスリン / 脂肪組織 / 3T3-L1 / 脂肪細胞分化 / グルコース取り込み / GKラット / 膵 / ベータ細胞 / ランゲルハンス島 / グルコース |
研究概要 |
研究結果 (1)PACAPは膵神経に存在するのみならず、膵島β細胞で作られるホルモンでもある。膵島β細胞はPACAP受容体(PAC_1-R)を発現している。(2)PACAPはグルコース刺激により膵島から放出されオートクリン様にβ細胞に作用してインスリン分泌反応を増強している。(3)PACAPはグルコース不応答性β細胞を活性化する。これは、PACAPのオートクリン作用によるインスリン分泌増強の機序の一つと推測される(4)脂肪細胞にはPAC_1-Rが発現している。(5)PACAPは脂肪細胞分化誘導作用を示し、また、インスリンによる脂肪細胞分化誘導を増強する。(6)PACAPは脂肪細胞に作用し、インスリンによるグルコース取り込みを増強する。(7)自然発症糖尿病GKラットにおいて、β細胞特異的なPAC_1-Rの発現不全によりPACAPオートクリン機構が障害されており、これが本ラットのインスリン分泌不全・糖尿病発症の成因の一つになっていると推測される。 結論・考察 本研究により、(A)PACAPがβ細胞から分泌されβ細胞に作用する膵島オートクリンホルモンであり、グルコース誘発インスリン分泌の膵島内増幅因子として機能していること、(B)インスリンにより刺激される脂肪細胞分化とグルコース輸送をPACAPは増強することが明らかにされた。この結果、PACAPはインスリン分泌とインスリン作用を共に増強するホルモンであることが明らかにされた。PACAPは糖尿病代謝調節に重要な役割を担っていると推測される。2型糖尿病の成因はインスリン分泌不全とインスリン作用不全にあるが、PACAPはこの2点で抗糖尿病作用を持っている。PACAPによる増強機構の障害が2型糖尿病の成因となる可能性が示唆される。
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