研究課題/領域番号 |
09670072
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
武 幸子 九州大学, 医学部, 助手 (80253425)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ストレス / 視床下部 / サイトカイン / NK活性 / c-Fos / Prostaglandin E2 / RNase Protection Assay / Th1 / Th2バランス / Thl / NK括牲 / 定量化RT-PCR |
研究概要 |
様々なストレスによって免疫機能が修飾されることは日常生活上よく経験される。このように精神状態が免疫機能に影響を与えるということは、元来独立した系であると考えられていた免疫系が脳による制御を受けていることを示唆する。本研究においてはストレスによる免疫機能修飾の機序、特にその脳内機序を明らかにすることを目的とし、以下の結果を得た。 (1) 拘束ストレスにより視床下部諸核の活動亢進が観察され、特に交感神経系、視床下部-下垂体-副腎皮質系制御に重要な働きを果たす室傍核は、拘束ストレスによりPEG2依存性に活動が亢進し、NK活性抑制に重要な役割を果たしていることが示唆された。 (2) 脾臓ナチュラルキラー(NK)活性制御に重要な役割を果たす脾臓交感神経系に対して、視床下部室傍核及び腹内側核は促進的な、視策前野及び外側視床下部は抑制的な影響を及ぼしていることが判明した。 (3) 非炎症性の拘束ストレスによっても脳内のサイトカインmRNA産生が増加する。特に拘束ストレスにより視床下部で発現が増加するIFNα、IL-1βは、交感神経系の媒介により免疫機能抑制に関与している可能性が示された。 (4) 拘束ストレスによる免疫機能修飾に、脾臓内でのTh1(細胞性免疫)サイトカインからTh2(液性免疫サイトカイン)へのシフトが関与している可能性が示された。 (5) 外側視床下部の活動亢進、及び海馬の活動抑制は免疫機能亢進に関与している可能性がある。 以上の結果より、ストレスによる免疫機能修飾の機序として、ストレス→視床下部サイトカイン発現調節→交感神経活動修飾(→脾臓サイトカイン発現調節)→免疫機能調節という経路が存在すること、さらに特に免疫機能亢進に対しては、海馬及び脳内報酬系の一部をなす外側視床下部が重要な役割を果たしていることが示唆された。
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