研究課題/領域番号 |
09670092
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
西堀 正洋 岡山大学, 医学部, 助教授 (50135943)
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研究分担者 |
沢田 研 岡山大学, 医学部, 助手 (50304308)
中矢 直樹 岡山大学, 医学部, 助手 (60273968)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | セリンプロテアーゼインヒビター / アポトーシス / ニューロン / プロテアーゼ / トロンビン / トリプシン / Serine proteinase inhibitor / Apoptosis / Neuron / Proteinase / Thrombin / Trypsin |
研究概要 |
ウシ中枢神経系において、我々がクローニングした新しいセリンプロテアーゼインヒビター蛋白B-43は、中脳から脊髄に至る脳部位で神経細胞に高発現していることが、免疫組織化学的な検討によって明らかになった。これらのB-43陽性神経は、橋・延髄の運動性神経核、脊髄前角の運動神経、大脳皮質錐体細胞、海馬CA3-CA4領域の錐体細胞、線状体の大型神経細胞などを含んでいた。また、GFAP陽性の星状膠細胞も陽性であった。B-43のマウスにおけるホモログ蛋白SPI-3のcDNA断片をRT-PCR法で得て、これをクローニング・シークエンス後、cRNAを合成し、in situ hybridization、Northem blottingに使用した。マウス脳では、B-43/SPI-3は生後2日目から発現を認め、10日過ぎにピークに達した後低下し、成塾マウスでは低い発現レベルであることがわかった。生後高発現する脳部位として海馬錐体細胞層、大脳皮質錐体細胞層V、三叉神経運動核、顔面神経核がどうていされた。この神経発達とB-43/SPI-3発現の開係は、B-43/SPI-3が、神経回路網形成を含む脳の生後発達に重要であることを示唆している。一方、成塾マウス脳を両側総頚動脈結札により一過性脳虚血とすると、Northem blottingで虚血後3時間をピークとし48時間以上持続するB-43/SPI-3の発現上昇を認めた。この条件の脳虚血により、海馬領域には典型的な遅発性神経細胞死をきたしており、in situ hybirdizationで同部に発現上昇を認めた。GST-B-43融合蛋白は、トロンビン、トリプシン、α-キモトリブシンの活性を抑制したので、脳虚血時における発現変化は、細胞内に存在する類似酵素の活性調節を介してB-43/SPI-3が神経細胞アポトーシスに関与することを示唆している。
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