研究課題/領域番号 |
09670095
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
丹羽 正美 長崎大学, 医学部, 教授 (20136641)
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研究分担者 |
永山 雄二 長崎大学, 医学部, 講師 (30274632)
重松 和人 長崎大学, 医学部, 助教授 (20154205)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 虚血性神経細胞死 / ミクログリア / エンドセリン / エンドセリン受容体 / 脳血液関門(BBB) / MCP-1 / vascular endothdial growth factor / 海馬CAI神経細胞 / vascular endothelial growth factor / 脳血液関門 |
研究概要 |
遅発性に海馬CA1神経細胞死を発症する一過性前脳虚血高血圧自然発症ラット(脳卒中発症系)は、ヒト脳血管性痴呆症の実験モデルである。我々の作業仮説「脳血液関門(BBB)を越えて血中から侵入し脳内で活性化されたエンドセリン作働性ミクログリアが、神経細胞死を引き起こす」を検証するために、我々の受容体画像化定量システムでBBBの機能的変化を観察すると共に、BBBを越えて侵入した単球の脳内における活性化の過程を単球遊走化因子(MCP-1)受容体発現を指標に評価した。方法論(1。定量的受容体オートラジオグラフィー法、2。定量的放射免疫組織化学法、3。in situ hybridization法)の確立を基礎に実験を展開した結果、1)高血圧自然発症ラットの両側頚動脈10分間結紮の虚血再灌流7日後、海馬CA1神経細胞死の領域に、エンドセリンET_B受容体の発現に一致して^<125>I-MCP-1の集積が認められた。エンドセリン作働性ミクログリアに多量なMCP-1受容体発現が観察された。2)同時に、VEGF受容体の発現上昇もあり、MCP-1受容体発現部位と全く異なり神経細胞死領域を取り囲む周辺の、主に血管内皮細胞上に観察された。3)虚血直後、2日後、5日後、いずれも、MCP-1受容体とVEGF受容体両者の有意な発現増加は無かった。BBBの機能的破綻とミクログリアの活性化は虚血後緩徐にジワジワと起きるのではなく、遅発性神経細胞死の直前に短期間で生じることが推測された。また、ミクログリアを活性化するMCP-1はBBBを構成する毛細血管内皮細胞で産生され、また逆に、BBBを強化補強するVEGFはミクログリアで産生されることから、神経細胞死におけるミクログリアの両面性(攻撃的かつ防御的)が示唆された。更に、BBBとミクログリアの相互関係cross-talkの解明が必要である。
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