研究課題/領域番号 |
09670119
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山本 徳男 東北大学, 遺伝子実験施設, 教授 (30192412)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | リポタンパク / レセプター / 中枢神経系 / コレステロール / アポE / エクソン喪失 / ノックアウトマウス / アルツハイマー / リポ蛋白 |
研究概要 |
神経細胞はアストロサイトで合成・分泌されるアポEを利用してコレステロールを取り込み、神経突起の進展や再生に利用すると考えられている。また、アポEはアルツハイマー病に遺伝的にリンクすることが示されているが、神経細胞とアポEとの細胞生物学的関連については不明の点が多い。 アポEレセプター2は神経細胞に発現するアポE特異的レセプターで、LDLレセプターと共通の5つのドメインから構成されるが、LDLに対する親和性が極めて低い点で異なっている。N末端のリガンド結合ドメインを構成するシステインに冨む繰り返し配列がLDLレセプターとアポEレセプター2では7回繰り返しているのに対し、骨格筋に高く発現するVLDLレセプターでは8回繰り返している。ヒトアポEレセプター2ではスプライシングの違いにより繰り返し配列4〜7と4〜6を欠くタイプのレセプターが存在するが、アポE・リポ蛋白に対する結合親和性は影響されず、アポE・リポ蛋白の認識と結合には繰り返し配列1〜3のみで十分であることが示された。 ノックアウトマウス作製に先立ち、マウスのアポEレセプター2cDNAを解析した。その結果、ヒトのレセプターのリガンド結合ドメインが7つの繰り返し配列であるのに対し、マウスのレセプターは8個であることが示された。遺伝子解析の結果、アポEレセプター2の繰り返し配列をコードするエクソンがヒト遺伝子の進化の過程で失われたことが明らかになり、エクソン喪失による進化のメカニズムが示された。 マウス遺伝子を用いてキメラマウスを作製し、最終的にアポEレセプター2遺伝子を部分欠損するノックアウトマウスを作製することに成功したが、見かけ上、マウスの成長、行動、外観、血中脂質は野生型とほとんど差がなかった。アポEレセプター2の脳での役割を明らかにするために、現在、詳細な生理的解析を行っており、近く、アポEレセプター2欠損の影響が明らかになる予定である。
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