研究課題/領域番号 |
09670155
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
佐藤 健三 (佐藤 建三) 鳥取大学, 医学部, 教授 (40113196)
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研究分担者 |
堀 直裕 鳥取大学, 医学部, 助手 (80263466)
伊藤 敬三 Tottori University Faculty of Medicine, Instructor (40213037)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 活性酸素 / 遺伝子発現 / カタラーゼ / レドックス制御 / 転写因子 / 肝特異的遺伝子 / 肝機能 / プロモーター |
研究概要 |
活性酸素により引き起こされる疾患や遺伝子発現異常のメカニズムを明らかにし、疾病の詳細な理解と新しい治療方針の確立に役立てることを目標に、本研究において、カタラーゼ遺伝子発現調節に関わるレドックス制御転写因子を単離し、その因子の酸化還元による活性化のメカニズムや生物的な意義の解析を行った。さらに本年度は、カタラーゼ遺伝子発現を強く誘導し、肝臓細胞の分化誘導に関与するフォークヘッド蛋白HNF-3γについての解析を行った。 その結果、カタラーゼ遺伝子プロモーターの逆重複配列構造に結合する4種の蛋白のレドックス制御を解析し、酸化還元によりその結合活性が制御されていることを発見した。また、これと関連して遺伝的海綿状脳症を引き起こす疾患モデル動物脳において、カタラーゼ遺伝子発現が有意に低下し、その結果レドックス環境の変動が誘発し、神経細胞死が誘導されるしくみを明らかにし、レドックス制御の異常が重要な病因の一つであることを証明した。 一方、カタラーゼ遺伝子発現を強く誘導する肝特異的転写因子HNF-3γ遺伝子をアデノウイルスベクターに組み込み、初代肝細胞培養に導入したところ、myc遺伝子発現を抑制し、細胞周期を制御して細胞増殖を抑制した。さらに、カタラーゼ、アルブミン、OTCなど肝特異的遺伝子発現を誘導し肝細胞分化を維持、肝機能低下を改善することが明らかとなった。さらにこの遺伝子の肝機能維持効果はモデル動物実験でも解析され、活性酸素を介する肝障害に対して非常に強い保護効果を示すことを明らかにした。 以上の結果は、細胞内における酸化還元状態の維持は生存にとって重要な意味を持っており、活性酸素除去酵素であるカタラーゼはこの環境を反映して調節されるとともに、細胞障害の制御にも関わっていることを明らかにした。
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