研究課題/領域番号 |
09670224
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 信州大学 (1998) 京都大学 (1997) |
研究代表者 |
樋口 京一 信州大学, 医学部・加齢適応研究センター, 教授 (20173156)
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研究分担者 |
細川 昌則 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (00127135)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | アミロイドーシス / 蛋白構造伝播 / マウス / apoA-II / プリオン / 線維形成反応 / 老化 / pro-apoA II / 繊維形成反応 / pro-apoA-II |
研究概要 |
アミロイドーシスは微細なアミロイド線維が細胞外に沈着する病態であり、本来生理的機能を持つ蛋白質が線維状に重合、沈着し生体に傷害を与える。プリオンやマウス老化アミロイドーシスですでに存在するアミロイド線維がアミロイド蛋白と接触し、構造変換を誘導し雪だるま式に重合・線維沈着を引き起こすという「蛋白構造伝播仮説」が唱えられ、その検証がアミロイドーシスの発症機序解明のための重要課題となっている。マウス老化アミロイドーシスをモデルとして蛋白構造伝播仮説の検証を目指し以下のような研究を行った。 1.マウス老化アミロイド線維(AApoAII)投与によるアミロイド誘発 AApoAIIをマウスに投与(静脈内、腹腔内)しアミロイドーシスの発症を解析した。投与後1ヶ月で全マウスにAApoAII沈着が、3ヶ月で全身に重篤な沈着が確認され、アミロイドーシスが著しく促進された。 2.ProapoA-II蛋白質とアミロイド線維核岐成反応 アミロイド線維蛋白画分からAApoAII以外の小量沈着蛋白を精製した。小量蛋白質はapoA-IIのN末端にAla-Leu-Val-Lys-Argのプロペプチドが切断されずに残存しているproapoA-II蛋白であり、アミロイド線維中のproapoA-II濃度は血漿中の10倍に濃縮されていた。 3.AApoAIIアミロイド線維による感染の可能性 AApoAIIをマウスの消化管内に投与しアミロイド線維による感染の可能性を解析した。投与後2ヶ月で全てのマウスにアミロイド沈着が観察され、その後沈着が増大した。高齢マウスを若齢マウスと同一ケージ内で3ヶ月間飼育した結果、若齢マウスでアミロイド沈着が誘発された。 以上の結果からアミロイドーシスの蛋白構造伝播仮説はほぼ実証されたと考えている。今後は最初の線維核形成や線維伸長反応を抑制・促進する因子の解析が重要と思われる。
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