研究課題/領域番号 |
09670236
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
池田 栄二 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30232177)
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研究分担者 |
廣瀬 茂道 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20245468)
神尾 尚彦 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80214518)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 脳血管 / 血管新生 / 血液脳関門 / VEGF / 個体発生 |
研究概要 |
個体発生過程において、脳血管は血管新生により増殖した後、血液脳関門(blood-brain barrier、以下BBB)形成血管へと分化する。個体発生過程における脳血管新生では、脳組織の成長に伴い生じる局所の低酸素状態刺激としたvascular endothelial growth factor(VEGF)産生亢進が重要な役割を担う。我々は低酸素誘発性VEGF産生亢進の分子機構解析を通じ、脳血管新生には脳組織における転写因子hypoxia-inducible factor 1(HIF1)とAP1の産生が関与することを明らかにした。また、BBB形成血管への分化過程に関してはquail(ウズラ)-chick(ニワトリ)間異種移植系に基づくin vivo BBB誘導モデルを確立し、その免疫組織学的・超微形態学的・機能的解析により胎児脳細胞(我々の系ではquail脳細胞)がBBB誘導能を有することを示した。さらに、上記in vivoモデルおよびquail脳の解析を通じ、脳血管新生過程とともにBBB形成血管への分化過程にもVEGFが関与する可能性を示唆する所見を得た。即ち、発生初期よりquail脳においてはisoform VEGF_<122>とVEGF_<166>の発現がみられるが、BBB誘導期にさらにVEGF_<146>とVEGF_<190>の発現が加わった。VEGFは血管新生因子であると同時に血管透過性制御因子であり、BBB誘導期のVEGF発現変化は注目すべき点と考えられた。脳以外の胎児組織でのVEGFisoform発現パターンと比較検討した結果、VEGF_<146>の発現亢進が脳組織特異的であることが明らかになった。In situ hybridizationにてVEGF産生細胞が胎児脳細胞であることが示され、胎児脳細胞の有するBBB誘導能とVEGF_<146>発現亢進との関連が示唆された。さらに我々は、上記のisoform発現変化の機能的意義を解析する目的で、quail胎児脳組織より各種VEGFisoformの翻訳領域全長を含むcDNA断片をクローニングし、各種isoform発現細胞を作製した。現在、それらの細胞につき解析中である。
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