研究課題/領域番号 |
09670242
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
矢野 博久 久留米大学, 医学部, 講師 (40220206)
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研究分担者 |
檜垣 浩一 久留米大学, 医学部, 助手 (40289385)
小笠原 幸子 久留米大学, 医学部, 助手 (40258405)
家村 昭日朗 久留米大学, 医学部, 助手 (40212724)
神代 正道 久留米大学, 医学部, 教授 (90080580)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ヘパリン結合性上皮細胞増殖因子様増殖因子 / 肝細胞癌 / 上皮細胞増殖因子ファミリー / オートクライン / パラクライン / 細胞株 / 免疫染色 / CD9 / 上皮細胞増殖因子ファミリーオートクライン / ヘパリン / 肝癌 / ジャクスタクライン |
研究概要 |
種種の分化度を示す肝細胞癌とその非癌部組織におけるヘパリン結合性上皮細胞増殖因子様増殖因子(HB-EGF)の発現に関して免疫組織化学的に検討を加えた。非癌部肝細胞・肝癌細胞共にHB-EGFを発現していたが、癌部におけるHB-EGFの発現程度は非癌部に比べて増強していた。HB-EGFの発現程度と腫瘍分化度の間に関連性は認められなかったが、内腫様変化を伴う肝細胞癌における検討では、癌の肉腫様変化に伴い周囲の肝細胞癌部に比べてHB-EGFの発現増強が認められた。正常及び悪性化した肝細胞のみでなく、癌部・非癌部共にマクロファージ、線維芽細胞や類洞(血洞)内皮細胞にもHB-EGFの発現を認め、HB-EGFが、autocirine・paracrine機構を介して肝細胞の増生や癌化あるいは癌細胞の増殖に関与している可能性が示唆された。肝癌細胞株を使用した検討では、上皮細胞増殖因子(EGF)ファミリーに属する未知の増殖因子とEGF receptorを介したオートクライン増殖機構の存在、肝癌細胞がEGFファミリーの中でTGF-aの発現を最も高頻度に発現すること、ある種の環境下では、TGF-aとEGFRを介したオートクライン機構も存在すること、EGF、HB-EGF、amphiregulin、TGF-aとEGFRを介したパラクライン機構が存在する可能性が示唆された。HB-EGFのjuxtacrine機構を介した細胞増殖作用を増強するCD9の発現に関しては、癌部・非癌部ともにHB-EGFと同様の類洞壁細胞に発現を認め、非癌部では、肝細胞の表面に発現していた。癌部では、高分化型肝細胞癌では癌細胞に比較的高頻度に発現しているが、中分化型の肝細胞癌ではその頻度が低下した。HB-EGFの癌化・細胞増殖と関連性が示唆され、更にHB-EGFとCD9は、高分化型肝細胞型細胞癌においては、共発現し増殖を促進している可能性が示唆された。
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