研究課題/領域番号 |
09670250
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
|
研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
増田 道隆 国立循環器病センター研究所, 循環器形態部, 室長 (00190364)
|
研究分担者 |
草野 賢一 国立循環器病センター研究所, 循環器形態部, 流動研究員
狩野 由美子 国立循環器病センター研究所, 循環器形態部, 室長 (30214498)
大澤 正輝 国立循環器病センター研究所, 循環器形態部, 室員 (40291182)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 内皮細胞 / 血管 / 動脈硬化 / PECAM-1 / デロシンリン酸化 / SHP2 / チロシンリン酸化 / 粥状硬化 |
研究概要 |
1. 内皮細胞は血管作動性物質やサイトカインなどの化学的な環境要因とともに、ずり応力や張力などの力学的環境要因によっても、その機能を制御されており、そのことが内皮傷害やその修復機構に深く関与していると考えられる。例えば、粥状硬化病変の局在には血行力学的要因が関与しており、このことの原因として、ずり応力により内皮細胞の細胞形質にさまざまな変化が生じることが指摘されている。 2. 我々は細胞接着分子PECAM-1が、流れなどの機械刺激により急速にチロシンリン酸化されることを発見し、初年度は、チロシンリン酸化PECAM-1が内皮細胞における脱リン酸化酵素SHP-PTP2(SHP2,Syp)の主要な結合分子であることを明らかにした。SH-PTP2はMAPキナーゼ活性化経路でポジティブなシグナル伝達分子として働いていることが知られており、本年度の研究は、PECAM-1を介したシグナル伝達が確かにMAPキナーゼ活性化に働いていることを明らかにしつつある。 3. MAPキナーゼ活性化は、遺伝子発現の変化など、内皮細胞の流れ応答のうち″遅い″応答で重要な役割を果たしている。本研究の成果は、粥状硬化病変の発症や進展のような″非常に遅い″内皮応答と流れ刺激の関連性を探究する上で、生化学的基礎を与えるものであり、また、PECAM-1チロシンリン酸化が重要な意義を持つことを示唆するものである。 4. PECAM-1を種々の細胞に遺伝子導入し、機械刺激によるチロシンリン酸化が起こるか否かを検討したところ、内皮細胞以外ではリン酸化されないことがわかった。このことは、内皮細胞に特異的なPECAM-1のチロシンリン酸化酵素が存在することを示唆する。本酵素の同定を目指して研究を進めている。
|