研究課題/領域番号 |
09670257
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
吉川 尚男 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (50191557)
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研究分担者 |
高橋 優三 岐阜大学, 医学部, 教授 (80094580)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ブラストシスチス / 原生動物 / 寄生虫 / 分類 / 系統 / 分子生物学 / PCR / DNA |
研究概要 |
ブラストシスチスは、ヒトだけでなく種々の動物から分離・株化されており、ヒトとヒト以外の動物由来の分離株との異同が困難であるため、ヒトヘの感染源の同定を困難としている。我々は、PCRを応用した遺伝子ゲノム解析から、ヒトから分離された株間にゲノムの多様性が存在すること、そしてニワトリ由来の分離株に人畜共通株が存在することを証明し、ヒト-動物間の伝播が存在することを示してきた。本研究では、ゲノムの異同を容易に検出する特異的遺伝子プライマーを設計し、これまでに分離・株化されたブラストシスチス株間のゲノムの異同を把握し、現在保有している約100株のブラストシスチスついて体系的な分類と人畜共通性の株同定を行った。種々のブラストシスチス株をサブタイプに分類するための特異的遺伝子プライマーを、ヒト由来株から7種類、ヒト以外の動物由来の分離株から2種類、合計9種類設計し検査した。約50株のヒト由来分離株は、4種類の遺伝子型にサブタイプ分けできることが判明した。さらに、遺伝子型の解析により、同じ施設に滞在する患者間、あるいは患者-職員間でブラストシスチスの伝播が生じることが判明した。一方、動物由来の約50株について検査したところ、我々の以前のゲノム解析から人畜共通株と同定されたニワトリ由来株だけでなく、ウズラ由来の3株、ニワトリ由来の2株、サル由来の2株がヒト由来分離株から作製した特異的プライマーで検出された。従って、これらウズラ由来、ニワトリ由来、サル由来の合計7株は人畜共通性の株であることが判明した。今後、多種多様な動物からブラストシスチスを分離し、そのゲノム解析を行い、人畜共通性の株を同定し、ヒトへの感染源となりうる動物を見つけだすことは衛生上からも重要であると考える。
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