研究課題/領域番号 |
09670271
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
山崎 浩 順天堂大学, 医学部, 講師 (00138207)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 肝蛭 / カテプシンL遺伝子 / プロペプチド欠損遺伝子 / 遺伝子導入 / 緑色蛍光タンパク / ラット下垂体腫瘍細胞 / 共焦点レーザー走査顕微鏡 / 変異プレプロカテプシンL / PCR / トランスフェクション / 真核細胞内発現 |
研究概要 |
肝蛭のカテプシンLは不活性型プレプロカテプシンLとして生合成され、N末端よりプレペブチド領域(シグナル配列)、プロペプチド領域、そして触媒活性を担う成熟酵素領域の3つドメインから構成されており、N末端のプレペプチドは小胞体への移行シグナルとして機能しているが、プロペプチド領域の機能に関する知見は少ない。そこで、本研究ではカテプシンLの細胞内輸送に影響を及ぼすプレペプチド領域を検索するために、アミノ酸90個からなるプロペプチドを、人為的に20アミノ酸程度づつ欠損した4種類の変異型プレプロカテプシンL遺伝子(preproΔ18CL、preproΔ39CL、preproΔ67CL、preproΔ88CL)をPCR法によって作成した。また比較のために、プレ領域のみ欠損したproCL、プロペプチドを完全に欠損させたmCL、そして対照としての野性型プレプロカテプシンL(preproCL)遺伝子もPCRによって合成した。これら7種類の遺伝子を哺乳類培養細胞内で緑色蛍光タンパク(Green Fluorescent Protein,GFP)との融合タンパクとして発現させるために、発現ベクター(pEGFP-N1)に挿入し、得られた組み換えプラスミドをラット下垂体腫瘍細胞(GH_4C_1)に導入し、発現したGFP融合肝蛭カテプシンLの細胞内局在を主に共焦点レーザー走査顕微鏡下で観察した。経時的にGH_4C_1細胞内で発現するGFP融合タンパクの局在部位をプロペプチド領域の欠損箇所との関連性を考慮しながら検討した。その結果、対照としてのGFPのみ単独発現させた場合にはGFPは細胞質全体や細胞表面に局在したのに対して、変異型カテプシンL-GFP融合タンパク質として発現した場合には、GH_4C_1細胞の辺縁部の顆粒に緑色蛍光が観察された。これらの顆粒が分泌顆粒であるのか、リソゾームなのかを同定するために、GH_4C_1細胞内の分泌顆粒に局在することがわかっているプロラクチンに対する抗体を用いて検討した。分泌顆粒は細胞辺縁部に多く観察され、ほぼ同じ部位に変異型カテプシンL-GFP融合タンパクが発現しており、分泌顆粒に輸送されている可能性が示唆されたが、プロペプチドの欠損領域との関連性についてはさらなる研究が必要と思われた。
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