研究課題/領域番号 |
09670286
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
松下 治 (1999) 香川医科大学, 医学部, 助教授 (00209537)
南 純三朗 (1997-1998) 香川医科大学, 医学部, 助教授 (40157566)
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研究分担者 |
片山 誠一 香川医科大学, 医学部, 助手 (70169473)
岡部 昭延 香川医科大学, 医学部, 教授 (20093677)
松下 治 香川医科大学, 医学部, 助手 (00209537)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | Clostridium perfringens / ウエルシュ菌 / ε-毒素 / λ-毒素 / マウス致死活性 / 海馬 / トリプシン / ε毒素 / 組換え毒素 |
研究概要 |
1.ウエルシュ菌のε-毒素は不活性な前駆体として産生される。λ-毒素、トリプシン、およびキモトリプシンによるε-毒素前駆体の活性化の機序について検討した。λ-毒素、トリプシンおよびトリプシンとキモトリプシンを作用させたときの活性化毒素のマウスに対するLD50はそれぞれ110ng/kg体重、320ng/kg体重、65ng/kg体重であった。ε-毒素前駆体はλ-毒素によってN末端側より10アミノ酸残基が、C末端側より29アミノ酸残基が切断除去されて活性化された。トリプシンではN末端側より13アミノ酸残基が、C末端側より22アミノ酸残基が切断除去されて活性化された。トリプシン作用後さらにキモトリプシンを作用させるとC末端アミノ酸がさらに7残基切断除去され、毒素活性が上昇した。以上の結果から、N-末端およびC-末端両側での切断がε-毒素の活性化に必要であると思われる。 2.ウエルシュ菌のε-毒素が脳の神経細胞、とくに海馬の神経細胞を傷害することを明らかにした。ε-毒素(50ng/kg)をラットに静注したのち、脳の神経細胞への影響を調べたところ、主に海馬の神経細胞に核濃縮を伴う細胞の変形が認められた。次に、海馬の神経細胞傷害を抗MAP2抗体による免疫染色によって観察した。ε-毒素非投与時に比較して明らかな神経細胞核周囲部や樹状突起における染色性が欠落しており、細胞骨格にも傷害が及んでいるていることが明らかとなった。また、海馬のTimm法による亜鉛染色をおこなったところ、ε-毒素投与後における染色性の相違が認められた。さらに、グルタミン酸レセプターの拮抗剤、および前シナプスからのグルタミン酸放出の阻害剤によってε-毒素投与時における海馬の神経細胞傷害が抑えられたことより、ε-毒素が海馬におけるグルタミン酸作動系を異常に亢進させ、神経細胞に傷害を与えることが示唆された。
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