研究課題/領域番号 |
09670289
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
平山 壽哉 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (50050696)
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研究分担者 |
和田 昭裕 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (70253698)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 下痢原性発現 / 耐熱性エンテロトキシン / 細菌毒素 / 毒素原性大腸菌 / 病原因子 / 細菌感染症 / 毒素受容体 / グアニル酸シクラーゼ / 腸管感帯症 / 下痢毒素 / 大腸菌 / エンテロトキシン / レセプター / 腸管感染症 |
研究概要 |
平成9年度は、STaRの細胞内に存在するC末端領域の塩基性領域にあるアミノ酸がどの残基までがグアニル酸シクラーゼ活性の発現に重要であるかを明らかにすることを目的とした。その合めにSTaRの1028残基めのアラニンから1011残基めのロイシンまでの18残基のアミノ酸を随時削ったCD1012からCD1029までの18種類のSTaR変異体を作製して解析した。これらのSTaR変異体のSTa結合活性は、ほぼ同程度のSTa結合活性を示していた。この結果は酵素活性を担う細胞内領域のC末端部分を削ったSTaR変異体において、導入した細胞内領域の変異が細胞外領域のSTa結合活性に影響しないことが判った。次に、この18種類のSTaR変異体のグアニル酸シクラーゼ活性を調べた。1グアニル酸シクラーゼ活性は、STaRのC末端を削るにつれで活性がなくなるのではなく、削る長さに無関係にグアニル酸シクラーゼ活性を示さないSTaR変異体が認められた。従って、これらのSTaR変異体ではC末端をデリーションすることによって、立体構造を構築できずにグアニル酸シクラーゼ活性を失うことが推察された。また、CD1013は、wild-typeのSTaRと同程度のグアニル酸シクラーゼ活性を示した。このCD1013はSTaRのC末端領域の塩基性アミノ酸に富んだ領域のリジン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸をすべて欠損しているSTaR変異体であり、STaRのC末端領域の塩基性アミノ酸は、特にグアニル酸シクラーゼ活性の発現に重要ではないと推察した。さらに、wild-typeのSTaRとの比較から、STaRのC末端領域はグアニル酸シクラーゼ活性の発現に抑制的な効果をもち、C末端を削ったSTaR変異体ではこの効果を有しないことから高いグアニル酸シクラーゼ活性を示すと考えた。 平成10年度は、STaRの細胞外領域の如何なる部位にSTaが結合するのかを知る目的でSTaR遺伝子、特に細胞外領域だけをbaculovirus vectorに組み込み、昆虫細胞での大量発現を行った。こうして得られた大量の可溶化されたSTaR細胞外領域はSTaとの結合能を有し、またこれまで我々が報告したような細胞外領域の特性、すなわちSTaと結合することによりダイマーを形成する性質も持っていた。今後この系を用いて、フォトアフィニティラベルによる結合部位の蛋白化学的な解析と、ダイマーフォーメーションの詳細を解析できる準備を終えた。
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