研究課題/領域番号 |
09670320
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 鹿児島大学 (1999) 金沢医科大学 (1997-1998) |
研究代表者 |
村山 次哉 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (60159184)
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研究分担者 |
小渕 正次 金沢医科大学, 医学部, 助手 (70257450)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | サイトメガロウイルス / IL-8 / ルシフェラーゼ発現ベクター / U363MG細胞 / NF-kB / AP-1 / ゲルシフトアッセイ / U373MG細胞 / 免疫染色 / 遺伝子導入 / THP-1細胞 |
研究概要 |
これまでに、IL-8によりサイトメガロウイルス(CMV)の複製及びDNA合成能が促進される事を報告してきた。一方、今回の研究プロジェクトのうち"IL-8産生に関わるCMV遺伝子の解析"に関する研究計画において、IL-8産生及び遺伝子発現にCMV遺伝子のどの部位が関与しているかについて検討し、IL-8とCMVの相互の関係を明らかにした。 CMV前初期遺伝子(IE1,IE2)領域を含む種々ベクターを構築し、遺伝子導入による一時発現系及びIE1,IE2を発現するパーマネント細胞系を作成し実験に供した。まず一時発現系による実験で、IL-8遺伝子上流域の各種転写部位を有するルシフェラーゼ発現ベクターと同時に遺伝子導入し検討したところ、IE1導入細胞の方がIL-8遺伝子発現に関係しており、特にNF-kBとAP-1転写部位を特異的に活性化する事が示唆された。さらに培養液中のIL-8タンパク量を測定したところ、IE1導入細胞が最大であった。これらの成績は、IE1,IE2をパーマネントに発現する細胞を用いた場合でも同様であった。また免疫二重染色による観察から、同一細胞がIE1抗原とIL-8抗原を同時に発現しているのが見い出された。この事は、CMVのIE1遺伝子発現細胞がNF-kBとAP-1の活性化を介して、IL-8を産生することを示したことになる。更にゲルシフトアッセイ法による解析から、NF-kBと特異的に結合する核内タンパクは、IE2産生株と比較してIE1産生株の方がより多く移行している事が見い出された。以上の事からIL-8産生に関与するCMV遺伝子は、少なくともIE1部位の関与が明らかであり、その機序としてNF-kBとAP-1両転写部位の活性化を介していることが考えられた。今後、これらの機序の詳細を明確にしその全体像を明らかにするために、IE1遺伝子欠損CMV株を作成し検討していく予定である。
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