研究課題/領域番号 |
09670339
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
乾 誠治 熊本大学, 医学部, 助教授 (70243384)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | リンパ球 / シグナル伝達 / プロテインフォスファターゼ2A / α4 / 免疫抑制剤 / ラパマイシン / 遺伝子破壊 / a4 / リンパ細胞 / 遺伝子ターゲティング / 抗原レセプター |
研究概要 |
B細胞抗原受容体を介するシグナル伝達分子としてクローニングしたα4分子がセリン・スレオニンホスファターゼの一つプロテインホスファターゼ2A(PP2A)の触媒サブユニットと直接結合することを明らかとした。PP2Aは細胞周期の制御・増殖シグナルの伝達等細胞の重要な機能を担うことが知られている。精製PP2Aとα4融合タンパクを用いた系及びα4を過剰発現するトランスフェクタントを用いた系で、α4分子はPP2Aの酵素活性を増強することを示した。免疫抑制剤の一つラパマイシンはリンパ細胞の増殖を抑制するが、リンパ細胞株のラパマイシンによる増殖抑制効果は細胞株により感受性の差が認められる。ラパマイシンによる増殖抑制に感受性の細胞株ではα4分子とPP2Aの結合が阻害されるが、耐性の細胞株では結合は阻害されなかった。更にラパマイシンが増殖抑制できる細胞ではα4分子とPP2Aの結合が阻害され、細胞中のPP2A酵素活性が低下するが、増殖抑制効果に耐性の細胞ではPP2A酵素活性に変化は認められなかった。つまりα4とPP2Aの結合がラパマイシンの標的として作用すること、α4分子は細胞中のPP2A酵素活性を調節して細胞増殖を制御している可能性を明らかとした。 更に、α4分子のin vivoでの機能を明らかにする目的でCre/loxPシステムを用いたα4遺伝子破壊を試みた。α4遺伝子のエクソン1,2の両側にlxoP siteを持ち、3′側のlxoP siteの下流にネオマイシン耐性遺伝子と3個目のlxoP siteを持つターゲティングベクターを作製し、ES細胞に導入した。G418選別後サザン法によりスクリーニングして1個の相同組換え体を得た。このクローンに一過性にCre遺伝子を発現させてネオマイシン遺伝子のみを除去したクローンを得た。今後このクローンを用いてキメラマウスを作製し、Creトランスジェニックマウスと交配してα4遺伝子破壊マウスを作製していく。
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