研究概要 |
1. TNFレセプターファミリーに属するCD27,CD30を介するNF-_KBの活性化はTRAF2とTRAF5によって担われていることを明かにし、CD27およびCD30の細胞内領域の欠損変異体を用いることでTRAF2およびTRAF5の会合領域を決定した。 2. TRAFの下流に存在するキナーゼとしてNF-_KB-inducing kinase(NIK)、さらにI_kBを直接リン酸化するI_kB kinaseの二つのサブユニット(IKKα,IKKβ)がクローニングされた。MAPKKKファミリーに属するMEKK1はNF-_KBを活性化することは示されていたが、そのメカニズムについては不明であった。我々は、NIKがIKKαとIKKβを同程度に活性化するのに対し、MEKK1は選択的にIKKβを活性化することを明らかにした。 3. TRAF2とMAPKKKファミリーに属するASK1(apoptosis-signal regulating kinase 1)がTNF依存性に会合することを示し、TRAF2を介するJNK/SAPKの活性化がASK1によることを明らかにした。 4. in vivoにおけるTRAF5分子の役割を明らかにするためTRAF5のノックアウトマウスの作製を行なった。CD27,CD40,TNFを介するNF-_KBやJNK/SAPKの活性化はTRAF5ノックアウトマウスでは障害されていなかったものの、CD40やCD27を介するリンパ球の活性化に障害が認められた。これらのことから、TRAF5にはNF-_KBやJNK/SAPKの活性化を介さない新たな機能を有することが明らかとなった(Immunity投稿中)。
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