研究課題/領域番号 |
09670342
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
小端 哲二 順天堂大学, 医学部, 講師 (10205445)
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研究分担者 |
西岡 久寿樹 聖マリアンナ医科大学, 難治研, 教授 (60049070)
奥村 康 順天堂大学, 医学部, 教授 (50009700)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 自己免疫 / Fas / FasL / gldマウス / アポトーシス / 免疫寛容 / 骨髄移植 / 遺伝子治療 |
研究概要 |
Fas/FasL相互作用を介したアポトーシスによる自己反応性リンパ球および標的細胞の除去が免疫学的自己寛容の成立と維持に重要な役割を果たしている。本研究は、FasL遺伝子の点突然変異により自己免疫疾患を発症するgldマウスを用いて、Fas/FasL相互作用による細胞除去の現場(どこの器官・組織で、どのような細胞集団が除去されるのか)を特定するととともに、Fas/FasL相互作用を利用した自己免疫疾患治療の基礎的検討を目的とした。自己免疫疾患を既に発症しているgldマウスに、wild-typeの骨髄細胞を移植する、あるいはFasLを強制発現させた遺伝子導入細胞を静注することにより、腫大していたリンパ組織や高γ-グロブリン血症が徐々に減少していった。gldマウスに特徴的なgld細胞(B220+T細胞)の消失も確認された。また、Fas感受性細胞はgld細胞のみならず表現型上正常なT細胞ならびにB細胞を含んでいた。さらに、組織学的には、牌臓、リシバ節、胸腺内に細胞のDNA断片化像(アポトーシス)が認められた。 以上の結果から、Fas/FasL相互作用により除去され得る病因細胞がgld細胞のみならず表現型上正常なリンパ球にも存在し、少なくとも牌臓、リンパ節内で(そして、おそらくは胸腺内でも)それら細胞が除去されることによって、自己寛容が成立・維持されることが示された。さらに、FasL機能不全に基づく自己免疫疾患に対して、骨髄移植やFasL遺伝子導入は新たな治療手段となり得る可能性が示唆された。
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