研究課題/領域番号 |
09670359
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹下 達也 大阪大学, 医学部, 助教授 (20150310)
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研究分担者 |
丸山 総一郎 大阪大学, 医学部, 助手 (70219567)
竹内 亨 (竹内 享) 大阪大学, 医学部, 助教授 (00188161)
森本 兼曩 大阪大学, 医学部, 教授 (20143414)
江副 智子 大阪大学, 医学部, 助手 (40232954)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 飲酒 / 遺伝子多型 / アルデヒド脱水素酵素 / アセトアルデヒド / ヘモグロビン / 健康指標 / アルコール / 遺伝子型 / 多型 / ライフスタイル |
研究概要 |
飲酒行動は、動脈硬化の予防など、適量であれば良い作用も有するが、一方生体内での代謝により、極めて反応性の高いアセトアルデヒドを生じる。このアセトアルデヒドは、容易にDNAおよび蛋白質等と反応し、様々な生体反応を生じる。日本人においてはアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)に高頻度の多型が存在する。約半数にみられる変異型の遺伝子型においては、飲酒時に高濃度のアセトアルデヒドに曝露するため、発がん等の健康影響が懸念されている。従って、飲酒行動等の環境要因によるアセトアルデヒドへの生体内曝露指標の開発は重要な課題である。我々は、昨年度の本研究においてアセトアルデヒドへの生体内曝露指標の開発は重要な課題である。我々は、昨年度の本研究においてアセトアルデヒドのヘモグロビン付加体量(HbAA)の測定方法を検討し、HPLCと蛍光検出器の組み合わせにより、アセトアルデヒド由来の蛍光物質を極めて高感度に検出可能になった。ボランティアにおいて、一定量のエタノール飲酒後のHbAAの増加を測定したところ、アルコール感受性の高いヘテロ型では、通常型ホモにくらべて明らかに大きな増加が観察された。職域集団において検診時の付加体量を測定したところ、やはりヘテロ型は通常型ホモにくらべて、過去2日間の飲酒量と比例して、HbAAの増加がみられることが示された。さらに、日頃の習慣的な飲酒量を加えて、重回帰分析を行った所、ヘテロ型では、過去2日間の飲酒量に加えて、習慣的な飲酒量もHbAAに寄与していることが判明した。この遺伝子型においては、過度の飲酒を連日続けると、生体内にアセトアルデヒドが蓄積することが示唆された。本年度は、ヘテロ型のボランティアにおいて、7日間連続飲酒によるHbAAの蓄積を検討した。日本酒1合程度の量を連日飲酒することによりHbAAが7日間にわたって蓄積していくことが示された。このような蓄積は生体内の種々の臓器において実際におきていると考えられ、飲酒の健康影響を考える上で極めて興味深い。
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