研究課題/領域番号 |
09670431
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長尾 正崇 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80227991)
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研究分担者 |
高取 健彦 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30001928)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | サリン / アセチルコリンエステラーゼ / 赤血球 / 小脳 / アルカリフォスファターゼ / イソプロピルメチルホスホン酸 / メチルホスホン酸 / GC-MS / Sarin / Acthyl cholinesterase / Cerebellum / Alkaline Phosphatase / methylphosphoric acid / Acthylcholinesterase / Erythrocyte / isopropyl methylphosphonic acid / methylphosphonic acid |
研究概要 |
新たに開発した、sarin-like organophosphorus agentであるbis(isopropyl methyl) phosphonate(BIMP)を用いて実験的にサリン中毒患者血球を作製した。その赤血球膜よりAChEを溶出させ、部分精製を行った。その後、alkaline phosphataseがAChEの活性中心に到達できるように、trypsinによるAChE分子の低分子化を行い、alkaline phosphatase でisopropyl methylphosphonic acidならびにmethylphosphonic acidを遊離させてGC-MSによりこれらの検出・同定を行い、急性サリン中毒の法医学的診断法を確立した。また、この方法を用いて、平成7年3月20日に発生した地下鉄サリン事件の死亡者4例の血液を試料にサリン加水分解産物の検出・同定を試みたところ、4例ともサリン加水分解産物であるisopropyl methylphosphonic acidならびにmethylphosphonic acidの検出に成功した。 赤血球に続いて、脳組織からのサリン加水分解産物の検出・同定を試みたところ。AChE活性が比較的高い小脳のホルマリン固定試料を用いた結果、4例ともサリン加水分解産物であるmethylphosphonic acidの検出に成功した。サリン1分子はAChE1分子と結合するため、脳内におけるサリン加水分解産物の分布は脳内のAChE活性の分布とほとんど同じ傾向を示すものと考えられた。一方、isopropyl methylphosphonic acidは検出不能であった。これは、ホルマリン溶液中で小脳組織が保存されている間に化学的にイソプロピル基が水解されたためと考えられた。
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