研究課題/領域番号 |
09670436
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山本 敏充 名古屋大学, 医学部, 助教授 (50260592)
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研究分担者 |
打樋 利英子 名古屋大学, 医学部, 助手 (20223571)
玉木 敬二 名古屋大学, 医学部, 助教授 (90217175)
勝又 義直 名古屋大学, 医学部, 教授 (30109326)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | STR / 蛍光標識プライマー / Capillary electrophoresis / 法医学 / Multiplex PCR / 集団遺伝学 |
研究概要 |
初年度は、蛍光標識プライマーを用いた3つのSTRローカスのmultiplex PCR法により、血痕資料の簡便抽出法から非常に正確で迅速な型判定法開発し、日本法医学雑誌に論文として掲載された。また初年度より継続してパーキンエルマー社との共同研究を行い、3色の蛍光色素をプライマーで標識して9つのSTRローカス(D3S1358、vWA、FGA、TH0l、TPOX、CSF1PO、D5S818、D13S317、D7S820)を一度にタイピングするAmpFlSTR Profiler kitを用いて、206名の日本人のデータベースの作成し、各ローカスについてのアリル頻度を算出した成果が本年度J.Forensic Sci.に論文として掲載された。今年度は、同様のキットであるAmpFlSTR Profiler plus kitとCofiler kitをを組み合わせて使用することにより、前述の9ローカスの他に4ローカス(D18S51,D21S11,D8S1179,D16S539)、計13STRローカスのアリル頻度を日本人207名から算出した。また、犯罪の国際化に伴い日本の近隣諸国の民族集団におけるアリル頻度も中国人(北京近郊)118名、ビルマ人122名、韓国人110名から算出した。これらの集団においても非常に高い個人識別能力を有していること、及び各集団と日本人との間でアリル頻度分布に有意な差がみられるローカスもいくつか存在することがわかり、遺伝的近縁性について若干の知見を得た。これらの成果は現在論文作成中である。さらに、集団遺伝学上サンプリングの適合性を示すハーデイ・ワインベルグ平衡の各種検定法を9つのSTRを使って比較検討した。その成果は、「DNA多型」にまとめられた。この方法を法医学な検査の一つである親子鑑定に応用した。その結果、STRの一つのローカス(D3S1358)で父子関係が否定されるいわゆる孤立否定例に遭遇したが、MVR-PCR法など特殊な検査方法を利用して、この事例がSTRの突然変異例であることを証明し、平成10年度日本法医学会総会において発表された。また、法医学的な物体検査の応用例として在宅の歯ブラシから抽出された微量DNAにこの方法を応用したところ極めて良好な結果が得られた。現在、この成果は投稿中である。
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