• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

Y染色体上のSTR多型による親子鑑定システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 09670446
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 法医学
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

岩佐 峰雄  名古屋市立大学, 医学部, 講師 (00021452)

研究分担者 的場 梁次  大阪大学, 医学部, 教授 (20107056)
研究期間 (年度) 1997 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワードSTR / Y染色体 / 親子鑑定 / 精液検査 / 歯髄 / DYS390 / DYS389
研究概要

Y染色体上のSTR多型による親子鑑定システムの開発の一環として、本年度は特にDYS390の日本人集団におけるアリル頻度を調査した。血縁関係のない日本人117名の血液からChelex-100によりDNAを抽出した。PCR増幅は3ngの鋳型DNAを用い、総量25μlの反応液中で定法に従って行った。用いたプライマーは、P1:5'TATATTTTACATTTTTGGGCC3'およびP2:5'GACAGTAAAATGAACACATTGC3'で、型判定はポリアクリルアミドゲル電気泳動と銀染色によった。また、各アリルの塩基配列は、Dye Terminator Cycle Sequencingキットによった。今回の調査で認められた6種類のアリルの塩基配列は、5-primer(23bp)-27bp-(CTAT)_2-(CTGT)_8-(CTAT)_n-CTG(TCTA)_3-TCAATC-(ATCT)_3-25bp-primer(22bp)-3'であり、CTATの4塩基(アンダーラインで示した)の繰り返し数は8回から13回(即ち、n=8-13)で、各アリルの総塩基数は、8;202bp;9;206bp;10;210bp;11;214bp;12;218bp13;222bpと算出された。CTATの繰り返し数を各アリルの名称とすると、アリルの出現頻度は、8;0.017;9;0.154;10;0.248;11;0.291;12;0.239;13;0.051であり、以前調査したドイツ人集団における成績(8;0.026;9;0.158;10;0.263;11;0.368;12;0.175;13;0.051)との間に有為な差は認められなかった(x^2=5.370,df=5.P>0.05)。
一方、DYS389の日本人集団におけるアリルの頻度は、DYS389Iでは、8:0.018;9;0.161;10;0.268;11;0.527;12;0.027であり、DYS389IIでは、23:0.029;24:0.105;0.229;26:0.324;27:0.248;28:0.048;29:0.010;30:0.010であった。Jones(1972)によるDiscrimination powerはDYS389Iでは0.624、DYS389IIでは0.767で、両者のCombined discrimination powerは0.912と算出された。ダイレクトシークエンス法でDYS389アリルの塩基配列を決定しようとすると、判読不可能な個所が複数個所あらわれ、各アリルの塩基配列の全体像を把握することはできなかった。
Y染色体上のSTRの法医学実務における応用として、司法解剖得た膣内容からDYS390およびDYS389の検出を試みた。試料とした15例のうち4例でDYS390の増幅が認められ、これらの試料では顕微鏡検査によって精子も確認された。なお、DYS389はいずれの試料でも増幅することができなかった。次に環境変化の影響を検する目的で、加熱処理した歯牙から得た歯髄よりDNAを抽出し、DYS390およびDYS389の検出を試みた。DYS390は、300℃2分の加熱では6例全例で、400℃2分の加熱では7例中1例で増幅可能であった。海中にほぼ1年間放置され、白骨化した遺体の長官骨骨髄のDNAについてDYS390が増幅可能であった。
Y染色体上のSTRによる親子鑑定では、父親と男子間のみに限定されるものの、そのシステムは極めて単純化される。即ち、男子の型から父親の型は常に1つに決定されるので、母子結合確率と擬父と同じ遺伝子型の真の父の出現頻度は等しいことから、父権肯定確率=1/(1+擬父の型の遺伝子頻度)として計算されることとなる。

報告書

(3件)
  • 1998 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Iwasa M.et al.: "6th Indo Pacific Congress on Legul Medicine and Forensic Sciences" Organizing Committee of the 6th Indo Pacific Congress on Legal Medicine and Forensic Sciences, 1050 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Iwasa M, Tsuchimochi T, Maeno Y, Inoue H, Koyama, H and Matoba R.: "Y chramosome STR, DYS390 : Application and validity" 6th Indo Pacific Congress on Legal Medicine and Forensic Sciences. 246-248 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Iwasa,M.et.al.: "6th Indo Pacific Congress on Legal Medicine and Forensic Sciences" Organizing Committee of the 6th Indo Pacitic Congress on Legal Medicine and Forensic Scienes, 1050 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] M,Iwasa, et al.: "Genetic variation at five STR loci in subpopulations living in Turke" Int.J.Legal Med.110・3. 170-172 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

URL: 

公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi