研究課題/領域番号 |
09670458
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
木村 博司 久留米大学, 医学部, 教授 (20112039)
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研究分担者 |
神田 芳郎 久留米大学, 医学部, 講師 (90231307)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ABO / H enzyme / Se enzyme / α(1,2)fucosyltransferase / フコース転移酵素 / H酵素 / Se酵素 / 抗体 / 免疫組織学 |
研究概要 |
1. ABO式血液型のA及びB糖鎖は、H糖鎖より合成される。ABH糖鎖は以下のように主として4つのタイプの糖鎖の存在が知られている。 type 1 chain Galβ1-3GlcNAcβ1- type 2 chain Galβ1-4GlcNAcβ1- type 3 chain Galβ1-3GalNAcα1- type 4 chain Galβ1-3GalNAcβ1- 上記前駆体の末端のGalにα1-2フコース転移酵素により、GDP-フコースよりフコースが転移されて、H糖鎖が合成され、更にGal末端にGalNAcが転移されるとA型に、Galが転移されるとB型となる。従ってA糖鎖、B糖鎖にもtype1〜type4の4種類がある。しかし、抗A抗体及びB抗体は、末端の三糖を認識するので 【chemical formula】 type1〜type4を区別することは出来ない。私達の作成した抗H抗体3A5はH type2にのみ反応し、群馬大学医学部法医学 古川研教授より供与を受けた抗H抗体1E3はH type1とH type2に反応する。又、イタリアの国立癌研究所Maria I.Colnaghi教授より供与された抗H抗体MBrlはH type3及びH type4を認識する。我々は、これらの抗体を使って、ヒトの唾液腺(顎下腺)で免疫組織化学的にH type1〜H type4の染色を試み、粘液細胞にはH type1が分布し、種々の導管(duct)にはH type1及びH type2が分布し、漿液細胞にはH type3/4が分布することを明らかにした。又、粘液細胞及び漿液細胞のH type1及びH type3/4は、非分泌型のヒトでは発現されないことも証明した。 2. 現在、H糖鎖を合成するα1-2フコース転移酵素(α1-2FT)にはH酵素とSe酵素の二種類の存在が知られている。現在までの知見では、H酵素は主として赤血球及び血管のH type2を合成し、Se酵素は、主として唾液或いは消化管粘膜に存在するH type1を合成すると考えられている。上記、H type1〜H type4抗原の分布及び分泌型、非分泌型の関与から、H酵素及びSe酵素そのものの分布を調べる必要から、H酵素及びSe酵素の抗体を作製することを試みた。H酵素及びSe酵素はアイソザイムであるので、そのアミノ酸配列の類似性は約60%であるので、H酵素については#132-147のペプチド(APEVDSRTPWRELQLH)、Se酵素については、#17-31のペプチド(VQQRLAKIQAMWELP)を用いて抗体を作製した。その結果、それぞれのペプチドに良く反応する抗体が得られ、現在、それぞれの抗体の特異性を研究中である。
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