研究課題/領域番号 |
09670487
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
佐藤 忍 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 講師 (80244424)
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研究分担者 |
関原 久彦 横浜市立大学, 医学部, 教授 (80126094)
大西 秀樹 横浜市立大学, 医学部, 講師 (30275028)
斎藤 達也 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (90205659)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ミトコンドリア病 / 膵外分泌 / 自然流産 / 腸閉塞 / ミトコンドリアDNA / エチジウム ブロマイド / 分化 / 糖輸送 / 筋細胞分化 / インスリン作用不全 / 発育障害 / 消化管機能異常 / 遺伝子治療 / ミトコンドリアDNA異常 |
研究概要 |
ミトコンドリア病はミトコンドリアDNA(mtDNA)異常に基づく遺伝性疾患で、生体の主要なエネルギー産生系が障害され全身の機能異常mitochondrialcytopathyを呈するがその根治療法、発症前療法は現時点ではない。本研究において我々は本症における膵外分泌機能について検討した。ミトコンドリア病の3家系についてbentiromide testにおいて正常者81.9±8.5%、糖尿病患者77±12.6%に対し、ミトコンドリア遺伝子異常者では19-68%と低下していた。しかしながら、mutant mtDNAの異常率と尿PABA回収率との間には相関関係は認められなかった。 necropcyの症例は下痢等の膵外分泌障害の臨床症状を認めた症例であったが、その電子顕微鏡所見は粗面小胞体と分泌顆粒の喪失と空胞変性しミトコンドリアの所見を呈していた。さらにtransferRNALue(UUR)変異の症例において、うつ病の原因となっていることを示唆する症例を報告した。さらに生殖にも重大な影響を及ぼし、胎児の発育障害、自然流産の頻度が高いことを明らかにしてきた。また、胃酸分泌機能、腸管運動機能など消化器機能の研究をすすめ、mutant mtDNAのを有する症例に麻痺性腸閉塞を起こしうること、実際穿孔症例を報告した。細胞レベルの検討ではインスリン作用の主要な標的臓器である筋肉と脂肪組織の培養細胞系であるC2C12細胞と3T3-L1細胞を用いて実験を行った。各々の培養細胞を分化させる前にエチジウムブロマイド(EB)処理を7日間行い、分化誘導を行うと、いずれの細胞においてもmtRNAの発現は検出されず、筋細胞への分化、脂肪滴の貯留は抑制された。また、分化したC2C12細胞にEBを添加し3日間培養するとインスリン刺激による糖輸送活性は約40%抑制された。これらの結果はmtDNA異常が直接にインスリン作用を障害し、また筋肉の異常を示唆すると考えられる。さらにmtDNA遺伝子を導入し、これらの障害を改善しうるか検討をしている。
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