研究課題/領域番号 |
09670511
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
田川 まさみ 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (90261916)
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研究分担者 |
横須賀 収 千葉大学, 医学部, 講師 (90182691)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | アヒルB型肝炎ウイルス / precore変異株 / 動物実験モデル |
研究概要 |
B型肝炎ウイルスでは困難であったprecore蛋白及び抗原の機能解析をアヒルB型肝炎ウィルス(DHBV)を用いた動物実験により行なうことを目的とし、DHBVの野生株とprecore変異株の増殖能の差異と病態との関連についてについて検討した。 DHBV野牛株2種とprecore変異株4種の計6種のクローン化ウィルスDNAを感染源としてアヒル雛にDNAtransfectionによる感染実験を行い、14日目までの感染率、血清中および肝内のウイルス核酸量を解析した。野生株はいずれも100%の感染率を示したのに対し、precore変異株の感染率は55%であり、血清中のDHBV DNA量は明らかに野生株より低値であった。等量の野生株とprecore変異株ウイルスを含む感染源を用いたアヒルおよび初代肝細胞培養での感染実験を行い、増殖能の差異をで比較解析したところ、いずれの組合せでも野生株が検出され、precore蛋白あるいはe抗原がウィルス増殖に促進的に作用していることが明らかとなった。24週までの慢性感染の経過では野生株は高ウイルス量が保たれ、組織学的変化は軽度であった。Precore変異株のウイルス量は感染初期より低く経過に伴いさらに減少、消失する傾向が認められ、これは肝細胞のfocal necrosisと小葉内リンパ球浸潤が中等度から高度に認められる時期に一致していた。感染6週目におけるDHBc抗原発現はほぼ全肝細胞にみられ野生株との違いは見い出せないが、20週目では小葉内全域での抗原量と感染細胞数の低下が認められた。 ウイルス増殖ならびに炎症、ウイルス排除の免疫応答とprecore変異株との関連が示唆され、動物実験モデルとしてのDHBV precore変異株の有用性が認められた。Precore蛋白、e抗原の有無と、その他のウィルス関連抗原の発現量の多寡がウイルス増殖ならびに免疫応答に対する作用について詳細な検討が必要と考えられた。
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