研究課題/領域番号 |
09670517
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
池田 均 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80202422)
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研究分担者 |
名越 澄子 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
大野 明彦 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30223902)
尾形 逸郎 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80169169)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 伊東細胞 / HGF / C-met / TGFβ / 星細胞 / c-met / TGFB |
研究概要 |
1. 伊東細胞が活性化すると、肝細胞増殖因子(Hepatocyte Growth Factor;HGF)受容体であるc-metを発現することを見出した。in vitroにおいては、Northern BlotによりmRNAレベルで、またWestern Blotにより蛋白レベルでの発現を確認し、さらに結合実験を行い、Scatchard解析によりK_d値1.5nMの受容体(c-met)の存在を明らかにした。in vivoにおいては、四塩化炭素8週間投与により作成したラット線維肝から単離精製した活性化伊東細胞においてc-metが発現していることをNorthern BlotによりmRNAレベルで確認した。 2. c-metを発現している活性化伊東細胞におけるHGFの作用を検討した。HGFはc-metの遺伝子発現を亢進させた。また、DNA合成をチミジンの取込で対照の約1.5倍に増加させた。さらに、TGFβ1の遺伝子発現、蛋白レベルでの産生を共に亢進させた。一方、コラーゲンの遺伝子発現、平滑筋αアクチンの発現は不変であった。 3. 以上の結果より、伊東細胞はHGFの産生細胞であることから、HGFはその受容体発現を亢進させオートクリン機構により伊東細胞に作用すると考えられる。伊東細胞の増殖は肝臓の線維化における顕著な変化であり、また、TGFβ1は線維化を促進するサイトカインであることから、HGFが線維化促進因子として働く可能性が示唆される。しかし、HGFをラットに直接投与すると肝線維化が抑制されるとの報告があり、我々の今回の知見から、この機序について考察すると、HGFの肝線維化抑制は、伊東細胞に対する直接作用によるものではなく、細胞障害防御作用などを介した間接的な作用によるものと推定される。
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