研究分担者 |
鈴木 健司 新潟大学, 医学部, 助手 (00303123)
大越 章吾 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (70231199)
小谷 昌司 新潟大学, 理学部, 教授 (60018702)
鈴木 康史 新潟大学, 医学部, 助手 (50270939)
小方 則夫 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (70204063)
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研究概要 |
報告者らは肝細胞癌患者における各種血清糖蛋白においてフコシル化が亢進していることを報告し,この事象が腫瘍の悪性度の指標になることから,フコース転移酵素(α1-6FT)のmRNAに対するアンチセンスによる肝細胞癌治療の可能性に関する基礎的検討を行った.すなわち,5型グルコサミン転移酵素(Gnt-V)とα1-6FTに対するアンチセンスRNAを持続的に発現する系を確立しその生物学的特性の評価を試みた.テトラサイクリンの制御系に関してはClontech社(USA)のTet-off systemを用い,pTet-offベクターをHeLa細胞にトランスフェクトし,ネオマイシン耐性により持続安定発現株を選択,樹立した.次に,pTREベクターにNishikawa,A.ら(BBRC198,318-327,1994)によって報告されているGnt-VのmRNA配列と,Yanagidani,S.ら(J.Biochem.121,626-632,1997)によって報告されているα1-6FTのmRNAの配列に基づきプライマーを設定し,TR-PCRによってGnt-V(nt.54-495)とα1-6FT(nt.-20-693)のcDNAをHepG2より調製し,クローニングした.これらのクローニングされたベクターと,選択マーカーであるハイグロマイシン耐性遺伝子を持つpTK-Hygとをカチオニックリポソームを用いて,テトラサイクリンリプレッサー蛋白を持続発現しているHeLa細胞にコトランスフェクトし,ハイグロマイシンで選択した.約10^5のHeLa細胞を用いてリポフェクションを施行すると,50前後のハイグロマイシン耐性のクローンを選択する事が出来た.そして,やや不安定ながら,ドキシサイクリン存在下にセンス,あるいはアンチセンスRNAを発現する株を樹立し,現在その生物学的特性を評価中である.
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