研究課題/領域番号 |
09670547
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松田 幸彦 阪大, 医学部, 助手 (90283770)
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研究分担者 |
山崎 英二 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
福田 和人 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
乾 由明 大阪大学, 医学部, 助手 (00294067)
田村 信司 大阪大学, 医学部, 助手 (30243223)
河田 純男 大阪大学, 医学部, 助教授 (90183285)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ファルネシルトランスフェラーゼ / ヒト癌 / 肝癌 / 大腸癌 / 発癌 / 遺伝子導入 |
研究概要 |
1)臨床材料を用いて、ヒト癌組織のファルネシルトランスフェラーゼ(FTase)活性が、大腸癌部では非癌部に比べてその発現が高く、比活性も高値であることを明らかにした。さらに、前癌状態であると考えられる大腸ポリ-プを有する患者では、ポリーブの組織異型度(腺腫から腺腫内癌)に相関して、その正常背景粘膜(ポリ-プの存在部位に関係なくS字状結腸粘膜に限定して採取した)においてすでにFTaseの活性が上昇していた。すなわち、FTase活性の亢進と大腸ポリ-プ・癌の発生母地とは密接に関係していることを見いだした。 2)肝癌組織ではFTaseの発現がその発生母地である肝硬変や慢性肝炎組織よりも量的に多いことを見いだした。また肝癌組織中のFTase活性や正常肝組織中よりも有意に上昇していたが、肝癌と肝硬変はその活性において有意差を認めなかった。肝癌発生母地と考えられる肝硬変においてFTase活性はすでに癌組織と同程度に亢進していた。 3)培養ヒト癌細胞株を用いた実験において、細胞が休止期(G0/G1)からDNA合成期(S期)に移行するとき、FTaseがリン酸化されることで活性型FTaseになることを見いだした。その活性はpre-S期に最高値を示し、ras蛋白の膜局在化を促進した。また、FTase阻害剤は細胞のS期移行を著しく阻害した。FTaseのリン酸化>活性上昇>Rasの膜局在化亢進・活性化>Ras以下への増殖シグナル伝達>S期へ移行と言う模式図が考えられた。 3)ヒトFTase α/β遺伝子を組み込んだ発現ベクターを作成しNIH3T3細胞株に導入後、その安定株を樹立した。FTase高発現株において、低血清培地における細胞増殖能、足場非依存性増殖能、ヌードマウスでの腫瘍形成能などを獲得していることを明らかにした。
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