研究課題/領域番号 |
09670579
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
松藤 民子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00199845)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 自己免疫性肝炎 / 自己抗体 / 自己免疫性疾患 / セレノシステイン / tRNA / エピトープ / 酵素免疫測定法 / エピトープ解析 |
研究概要 |
本邦自己免疫性肝炎(AIH)12症例中5例(42%)の血清中(血清は患者の承諾を得て採取した)にSec-tRNAまたはその蛋白質複合体に対する自己抗体が検出された。抗体陽性者はいずれも女性で、年齢、肝障害の程度、他の自己抗体の出現、ステロイド治療への反応性などに特定の傾向は認められず、2年以上にわたる経過観察では抗体検出に経時的変化は認められなかった。検索した範囲では原発性胆汁性肝硬変(PBC)、自己免疫性胆管炎(AIC)および高γ-グロブリン血症を伴う慢性C型肝炎患者血清からは本抗体は検出されなかった。本抗体陽性者5例中3例に試験管内で合成した放射標識ヒトSec-tRNAを直接認識する自己抗体(直接型)が認められた。さらに直接型抗体のエピトープ解析の結果、2例はSec-tRNAのDループ-TΨCループ領域の異なる高次構造を認識し、残りの1例の抗体はSec-tRNA、Ser-tRNAの両者を共に沈降させることが明らかとなった。またSec-tRNA-蛋白質因子複合体を沈降させSec-tRNAを直接認識しない抗体(間接型)はヒト培養細胞抽出液中の約50kDaのバンドと反応した。 多数検体の処理と将来の臨床検査への移行を可能にするために、直接型自己抗体の非放射線標識検出法として、biotin-14-CTP標識した試験管内合成Sec-tRNAを抗原とするサンドイッチ法酵素免疫測定法を開発した。 以上の結果より、本邦のAIH症例において直接または間接型の抗Sec-tRNA抗体が高頻度に検出されることが明らかとなった。また本抗体のエピトープには多様性があり、少なくともSec-tRNAの異なる構造を直接認識する抗体とSec-tRNAに結合した蛋白質因子を認識する抗体とが同定された。
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