研究課題/領域番号 |
09670591
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | (財)癌研究会 |
研究代表者 |
相羽 惠介 (相羽 恵介) 財団法人 癌研究会, 癌化学療法センター・臨床部, 副部長 (90150086)
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研究分担者 |
高橋 俊二 財団法人 癌研究会, 癌化学療法センター・臨床部, 研究員 (90221358)
伊藤 良則 財団法人 癌研究会, 癌化学療法センター・臨床部, 研究員 (00261131)
堀越 昇 財団法人 癌研究会, 癌化学療法センター・臨床部, 部長 (00085648)
水沼 信之 財団法人 癌研究会, 癌化学療法センター・臨床部, 研究員 (40311229)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | TS / RNA / biochemical modulator / p53 / Biochemical modulator / biochemical modulation |
研究概要 |
Thymidylate synthase(TS)活性阻害の向上を目指したBiochemical modulationの検討 1)TS遺伝子発現機序とTS蛋白 TSはRNA結合蛋白としての機能も有している。p53やmycファミリー等のmRNAと比較的高い親和性を有している。そしてTS蛋白がp53やc-myc mRNAと結合すると、それらの翻訳機構を抑制することになる。TSはそれ自身のmRNAにふたつの異なった部位に結合することにより直接影響を及ぼす。そしてTS遺伝子発現を抑制する。TS蛋白と結合するRNAヌクレオチドを同定するためにRNA断片を合成して検討したところ、25個のヌクレオチドから成るRNAシークエンスであった。そしてその二次構造は、stem-loopを有しており、そのloopのUGU構成が必須と考えられた。 2)p53遺伝子発現とTS蛋白との相互関係 従来、抗癌剤の抗腫瘍効果発現とP53との関係は、DNA損傷に起因するアポトーシス誘導の現象面から検討されてきた。5-FUはRNA機能障害とTSを標的とするTS活性阻害効果等によりその細胞毒性を発揮し、この効果は野性型P53依存性である。P53mRNAの蛋白コード部位は、TS蛋白と特異的な相互関係にあり、ribonucleoprotein複合体を形成することがRNA gel shift assayにより判明した。すなわちTS蛋白を過剰発現している癌細胞株では、P53蛋白発現が認め難く、TS蛋白がP53mRNAの翻訳を特異的に抑制していると考えられた。P53遺伝子発現について、以上の観察はp53遺伝子発現の新しい調節機構であり、一方、TS蛋白が細胞内遺伝子発現におけるひとつの調節因子として重要な役割りを担っていることが考えられた。 3)TS遣伝子発現産物によるTSmRNAの翻訳レベルにおける自己調節に着目した新しい5-FU投与法 5-FUは長期持続静注投与法の有用性が認められている。しかしこの場合TS蛋白の産生を招来するため、効果減弱、耐性化を惹起する。5-FUをON/OFFの形で持続投与することによりTS阻害は保たれ、過剰な産生を惹起することなしに効果は保ち副作用は軽減することが非臨床、臨床で示唆された。
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