研究課題/領域番号 |
09670645
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
犬塚 貴 新潟大学, 医学部附属病院, 講師 (50184734)
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研究分担者 |
中野 亮一 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (00262444)
保住 功 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (20242430)
田中 恵子 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (30217020)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 抗神経抗体 / 悪性腫瘍 / 傍腫瘍性神経症候群 / RNA認識モチーフ / 神経細胞死 / アンチセンスオリゴヌクレオチド / 腫瘍マーカー / 自己免疫 |
研究概要 |
平成9年度から10年度にかけ継続してきた、各種神経疾患における神経組織に対する抗体検索は300例を越えた。免疫プロット法、免疫組織化学的方法のいずれか又は両者で何らかの抗体が陽性のものは30%と高率で、このうち神経組織のみに対する抗体は1/3(全体の10%)である。現在までのところ抗Hu抗体、抗Yo抗体や抗MAG抗体など、既知のものを除いて特定の疾患に特徴的な反応バンドや反応パタンは見られない。このように高率に、神経系に対する抗体を含めた自己抗体が産生される理由や病因的意義は明らかではなく、感染に対する反応や加齢現象などの観点から今後の検討が必要である。平成9年度には傍腫瘍性神経症候群にみられる抗Hu抗体の陽性例が21例蓄積され、その臨床像や抗体の特徴を明らかにした。抗Hu抗体の認識抗原HuDにはRNA認識モチーフがあり、蛋白の翻訳に影響を与えると考えられることから、抗Hu抗体の神経細胞に対する傷害性を検討した。患者血清のIgG分画を、Hu抗原を内蔵し神経系に分化しうるPC12培養細胞に添加した。顕微鏡観察下でマイクロインジェクターを用いた細胞内への直接注入も試みた。いずれも抗体では細胞傷害はおきなかった。そこでPC12細胞のNGF添加による分化誘導に対して、抗Hu抗体あるいはHuDアンチセンスオリゴヌクレオチド(anti-s-ON)の影響を調べた。抗体の添加では変化が認められなかったが、anti-s-ON存在下ではNGF添加によるPC12細胞の突起伸展と共に、HuD蛋白の発現も抑制したことから、HuD蛋白は神経分化に関わる可能性があると考えられた。HuD蛋白発現抑制による、関連蛋白の発現カスケードの変化の全体像を捉えるためにdifferential displayによる解析が有効であると考えられた。
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