研究概要 |
コンプリメンタリーペプチドのモノクローナル抗体であるTCM240およびRhEのhcavy chainおよびlight chainのDNA解析とその解析結果に基づき作成したリコンビナント蛋白の解析より,両抗体とも抗原結合部位の主役はheavy chainのvariable regionのCDR3領域であることが推察された.コンプリメンタリーペプチドとこれらリコンビナント蛋白の親和性の検討では,heavy chainのみではその親和性が低下することがわかった.T細胞のエピトープに対するコンプリメンタリーペプチド感作によってもEAMGの抑制が可能であることが確認された.その抑制はT細胞の抑制だけでは約50%と低く,T細胞エピトープに関しては今回用いたアセチルコリンレセプターの100-116(AChR 100-116)以外のエピトープの関与も推察された.このT細胞エピトープに対するコンプリメンタリーペプチド感作により得たCTCR8により解析からは,T細胞の増殖抑制は感作リンパ球にのみ有効に働いており,抗原提示細胞には機能していないことを証明した.またその抑制はAchR100-116特異感作リンパ球のみに有効であり,他のコントロールペプチド感作リンパ球には全く機能しないことより,抗原特異的に機能していることを証明した.また抗体は補体不活化によってもその効力が失われないことより,補体の関与がないことを証明した.CTCR8によるT細胞増殖抑制は,IL-2の添加により部分的に消失することより,抑制の機序はT cell anergyであると結論した.つまりコンプリメンタリーペプチドによる免疫抑制は,B細胞系に関してはアンチイディオタイプ抗体導入による病因となるイディオタイプ抗体を中和することにより生じ、T細胞系に関してはT細胞のTCRβを認識し,T cell anergy導入により生じると結論した.
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