研究課題/領域番号 |
09670665
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
中野 今治 自治医科大学, 医学部, 教授 (40092423)
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研究分担者 |
加藤 信介 鳥取大学, 医学部・脳研・病理, 助教授 (60194817)
小柳 清光 東京神経科学総合研究所, 神経病理, 副参事 (00134958)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / 運動ニューロン死 / 神経細胞死 / 超微形態 / ユビキチン / ブニナ小体 / 硝子様封入体 / 糸束様封入体 / 筋萎縮性側策硬化症 / 運動ニューロン / 家族性ALS / advancedglycation endproducts(ADE) / 電顕観察 / アストログリア |
研究概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)における運動ニューロン死の機序として、興奮性アミノ酸のトランスポーターないしは受容体の異常説、superoxide dismutase 1(SOD-1)変異によるgain of toxic function説、フリーラディカル説、アポトーシス説、カルシウムチャンネルに対する自己抗体によるとの自己免疫説などが提唱されているが、いずれも確証はなく、本症の病因が確定しているわけではない。したがって、現況ではALS患者の脳脊髄において、運動ニューロン死の機序を確実に反映していると考えられ細胞病理像の丹念な検索を通してその機序に迫る神経病理学的検索は欠くことのできない研究手法である。 我々は、古典型ALS剖検脊髄の前角細胞の電顕研究により、硝子様封入体(hyaline inclusion)が、本症にほぼ特異的と考えられるブニナ小体の1つの起源である可能性を示す像を見出した。すなわち、硝子様封入体辺縁部に、硝子様封入体を構成している電子密度の高い顆粒が密に集簇してブニナ小体(と酷似した構造)を形成していること、さらに硝子様封入対のもう1つの構成要素である太い異常線維がそのブニナ小体の内部に取り込まれていることを見出した。ついで、いずれもユビキチン化されている糸束様封入体(skein-like inclusion)と硝子様封入体そのものとを電顕検索した。糸束様封入体は太い異常線維の束であるが、その線維は硝子様封入対の構成要素の1つである異常線維と区別できないこと、糸束様封入対がほぼ円形の硝子様封入体に接して存在すること、また、複数の糸束様封入対が穏やかに集簇する傾向を示す像も観察した。これは、両封入体が少なくとも何らかの関係を有していることを示唆する所見である。また、タネル方を用いてALS前角細胞の核DNAの断片化をin situで検索し、タネル陽性細胞はすべて強い変性を呈していることを示し、ALSにおける運動ニューロン死はアポトーシスとは異なる可能性を見出した。
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