研究課題/領域番号 |
09670672
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
北川 泰久 東海大学, 医学部, 助教授 (30124944)
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研究分担者 |
畑 隆志 東海大学, 医学部, 講師 (90129601)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 脳梗塞 / 活性型プロテインC / 血液凝固素子因子 / アテローム血栓性脳梗塞 / 心原性脳栓塞症 / プロトロンビンフラグメント1+2 / 血液凝固阻止因子 / 心原性脳塞栓症 / トロンビンアンチトロンビンIII複合体 |
研究概要 |
脳梗塞の急性期には凝固性の異常が認められることが知られており、活性型プロテインC濃度(APC)は血液凝固素子因子として重要な働きをしている。従来、血漿APCは絶対量を表したものではなく、活性%で示されており、絶対量で測定した報告は本邦では急性心筋梗塞を対象とした報告があるのみである。本研究の目的は急性期脳梗塞症例におけるのAPCの絶対量を初めて測定し、その意議を検討することにある。対象は発症24時間以内に東海大学大磯病院に入院した急性期脳梗塞47例で、内訳はアテローム血栓性脳梗塞(ATI)21例(平均年齢73歳)、ラクナ梗塞(LI)15例(平均年齢70歳)、心原性脳塞栓症(CE)11例(平均年齢73歳)である。試験方法として(1)発症後24時間の超急性期(2)発症後4-7日の急性期(3)発症後8-14日の亜急性期(4)発症後30日の慢性期の4つの時期に採血を行い、APC濃度を測定した。APC濃度の測定はEnzyme capture assayの原理を用いた方法で行った(帝人)。APC濃度の測定と同時にTAT、D-dimerなどの凝固・線溶マーカーも各時期に測定した。結果は発症24時間以内のAPC濃度はATIでは3.3±0.9mg/ml、LIでは2.5±0.8ng/ml、CEでは3.1±1.1ng/mlでATIで最も高値を示した。ATIとLIでのAPC濃度の間には統計学的に有意差を認めた(p<0.01)。APCの濃度の時間的推移を見ると、時間経過とともに減少する傾向を示した。APCと凝固系、線溶系マーカーとの相関をみると、CEにおいてAPC濃度とprothrombin fragment1+2との間に推計学的に有意な相関(p<0.05)を認めた。重症度についてはAPC濃度とGOS、NIH Stroke Scale、Barthel Indexいずれも相関を認めなかった。穿通枝領域の脳梗塞と皮質枝領域の脳梗塞に分けてAPC濃度を比較したが、有意差は見られなかった。今後APCの補充療法は急性期の治療の一つとして期待できるが測定時期や感度についてはさらに検討を有する。
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