研究課題/領域番号 |
09670691
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山口 巌 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (30111389)
|
研究分担者 |
宮内 卓 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (60222329)
石川 智久 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (10201914)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 心不全 / 心肥大 / イオン チャンネル / 不整脈 / 分子循環器病学 / 機械的収縮 / 電気的興奮 / フィードバック / 自立神経 |
研究概要 |
機械的な収縮と電気的な興奮の間にはフィードバック機構(contraction-excitation feedback)があり、種々の動物およびヒトの心臓において機械的収縮が電気的興奮過程に影響を与える現象として知られている。その機序としてstretch sctivated ion channelの関与などが示唆されているが、詳細は不明である。In situ heartにおいて、心内電位記録用電極カテーテルを心内膜に押し付けることによってmonophasic action potential(MAP)の記録が可能であり、これは心筋細胞の活動電位を反映すると考えられている。MAPは心室容量負荷により短縮する。 今回、我々は、左室に対する容量・圧負荷を減少させるバルサルバ法の前後および血液透析の前後、QT間隔を延長させるdysopyramide静注の前後において、電気的収縮時間の指標としてのQT間隔および機械的収縮時間の指標としての駆出時間の変化について検討した。心機能の良好な例に対して血液透析の前後で比較すると、駆出時間は有意に短縮したが、QT間隔は延長傾向であった。Disopyramide静注前後では、QT間隔は有意に延長したが、駆出時間は短縮傾向であった。心機能良好例例と心機能低下例例に対して、バルサルバ法を行った。バルサルバ法により、駆出時間はいずれの群においても有意に短縮した。QT間隔は心機能良好例では延長したが、心機能低下例では短縮が認められた。 ゆえに心機能良好例では、電気的収縮時間の指標であるQT間隔と機械的収縮時間の指標である駆出時間は、圧・容量負荷の軽減に対してmechanoelectrical feedback機構により逆方向に変化するが、心機能低下例では通常のfeedback機序から逸脱する例もあると考えられた。以上より、心不全・心肥大においてcontraction-excitation feedbackは不整脈発生に役割を演じていることが示唆された。
|