研究課題/領域番号 |
09670702
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉浦 清了 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10272551)
|
研究分担者 |
青柳 昭彦 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10251240)
百村 伸一 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10190985)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | ミオシン / 分子生物学 / インビトロアッセイ / 光ピンセット / インビトロ アッセイ |
研究概要 |
本研究の目的は分子の構造改変により心臓を駆動するのに最適なモーター特性(高いエネルギー効率を持ち力発生能力も高い)を持ったミオシンを作成するための基礎的データを得ることである。このため1)分子レベルでの機能測定系の確立および2)遺伝子工学を用いた変異ミオシンの作成を行った。1)については in vitro motility assay に光ピンセットを組み合わせた実験系の改良を行い、feedback-enhanced trap によりisometricに相当する条件下で1分子のミオシンとアクチンフィラメントの間に発生する力を測定することを可能にした。これを用いて心臓の適応において大きな役割を果たすと考えられている心筋ミオシンの2つのアイソフォームV1とV3の発生する力を測定、比較したところ両者は発生する力のピークの値に差は認められないものの力を発生している時間に差が見られこれが両者のエネルギー効率に差を生み出す原因となっていると考えられた。2)変異ミオシンの解析についてはヒト家族性肥大型心筋症をモデルに細胞性粘菌ミオシン発現系を用いて変異ミオシンを作成し多面的に機能評価を行った。ATP結合部位、アクチン結合部位、反応性SH基近傍、および軽鎖結合部位における変異ミオシンにつきATPase 活性、in vitroでの滑り速度、力発生を測定したところこれらの機能の間に解離がみられた。特に機能部位とは離れた位置にある軽鎖結合部位における変異においてこの傾向は著明でありこの部位がミオシンのエネルギー変換過程において重要な役割を果たしていることが示唆された。また力発生能力と臨床例における予後の間に相関が見られ機能低下が病態形成に重要であること、逆に機能的に優れたミオシン発現させることができれば心不全の治療に有用であることが示唆された。
|