研究課題/領域番号 |
09670703
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
上原 譽志夫 (上原 誉志夫) 東京大学, 保健管理センター, 講師 (40184965)
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研究分担者 |
後藤 敦郎 東京大学, 医学部, 助教授 (00150277)
名越 洋 東京大学, 医学部, 医員
申 偉秀 東京大学, 保健管理センター, 助手 (10211971)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | プロスタグランジンD_2 / サイトカイン / 一酸化窒素 / 一酸化窒素合成酵素 / 細胞内受容体 / インターロイキン / エンドトキシンショック / 動脈硬化 / エフドトキシンショック / プロスタグランジンD2 |
研究概要 |
PGD_2系が誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)によるNO産生に及ぼす影響について検討した(Circulation Research 1998)。サイトカイン刺激により培養血管平滑筋細胞(VSMC)ではiNOSの誘導がみられ、NO産生が増大するが、外因性PGD_2の添加はサイトカイン刺激によるiNO産生を用量依存的に減少させた。このNO産生の減少はVSMC内でのiNOSmRNA低下をともない、PGD_2は細胞内iNOSmRNAの転写を抑制し、iNOS酵素蛋白合成低下させてNO産生を阻害することを明らかにした。PGD_2のiNOSmRNA転写阻害作用は、PGJ_2などのPGD_2代謝産物が関与し、かつ細胞内機序が関与することを明らかにした。 さらに、遺伝子治療に関する基礎的検討を行なった。PGD_2合成酵素遺伝をVSMCに導入したところiNOSmRNA低下とNO産生の低下が観察された(Circulation Researchに投稿中)。これは培養液中PGD_2よりも細胞内PGD_2がiNOSmRNA産生の調節機構に重要であることを示し、内因性PGD_2がiNOSmRNA調節に重要であることが明らかにされた。これはPGD合成酵素遺伝子のリボ化によるdrug deliveryの有効性が強く示唆され、治療法開発への道を開いた。 またPGD_2投与によるiNOS過剰発現によると考えられるエンドトキシンショックへの効果について調べた。PGD_2の前投与はエンドトキシンによる血圧下降を減弱し、肝臓機能障害を軽減した。実際、これらラットの摘出血管ではアセチルコリン血管弛緩反応が軽減していた(Life Scienceに投稿中)。これらはPGD_2がin vivoにおいても心臓血管障害の進展を促進的するサイトカイン・一酸化窒素系を遮断することを示唆し、治療薬としての有用性を始めて明らかにした。
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