研究課題/領域番号 |
09670720
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
久留 一郎 (1998) 鳥取大学, 医学部, 助教授 (60211504)
井川 修 (1997) 鳥取大学, 医学部, 講師 (80252857)
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研究分担者 |
菅 敏光 鳥取大学, 医学部附属病院, 医員
足立 正光 鳥取大学, 医学部附属病院, 医員
田中 保則 鳥取大学, 医学部, 助手 (60294310)
太田原 顕 鳥取大学, 医学部附属病院, 医員
真鍋 一郎 鳥取大学, 医学部・附属病院, 医員
佐々木 紀仁 鳥取大学, 医学部・附属病院, 医員
久留 一郎 鳥取大学, 医学部, 講師 (60211504)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 虚血再灌流障害 / Na^+ channel α-subunit / Cysteine^<373> / 虚血再潅流障害 / cysteine^<373> / 酸化還元 / ATP感受性Kチャンネル / S-S結合 / システイン |
研究概要 |
前年度には再潅流不整脈の発生機序として、酸化ストレスによるATP感受性K^+channelの活性化機構を検討しcysteineの酸化という新しい機構を発見した。そこで本年度はNa channelに焦点をあてて酸化ストレスのNa channelに対する効果を併せて検討した。 1) ヒト骨格筋型Na Channel α subunit(hskm1)を用いた研究 2つのcysteineを酸化するHgCl2はhskm1を濃度依存性に抑制し(50%抑制濃度;Kd=0.964μM)、この抑制は単純なwashoutでは回復しない。電流-電圧関係からHgCl2は閾膜電位、最大電位に影響せずにhskm1を抑制する。このHgCl2のhskm1の抑制は還元剤DTTで回復できる。1つのcysteineを酸化する親水性thimerosalや疎水性DTDPはhskm1には影響しない。 2) ヒト心筋型Na channel α subunit(hH1)との比較 HgCl2はhHlに対しても同様の様式で抑制するが、そのKd値はhskm1に比較して有意に小さい(Kd=0.429μM)。hH1とhskm1のchannel孔形成領域(P-loop region)のcysteineを比較してみるとdomain1に心筋特異的なcysteineが存在する。 3) Cystein373の意義 心筋特異的に存在するcysteine373の生理学的意味を検討するためにhH1のcysteine373をtyrosine373にsite-directed mutagenesisにより置き換えて、HgCl2の効果を比較した。mutant hH1に対するHgCl2のKd値は1.123μMとwild type hH1より有意に大きかった。 以上の結果はATP感受性K^+channelと同様にNa channelも酸化ストレスにより影響される。特に2個のcysteineの酸化がNa channelを特異的に抑制する。そして心筋特異的に存在するNa channelのdomain 1のcysteineが酸化による抑制効果を増強するため、酸化に対しての心筋の感受性の増強を説明できる。
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