研究課題/領域番号 |
09670726
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
畑 知二 (畑 知ニ) 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (90198739)
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研究分担者 |
平山 祐義 九州大学, 生体防御医学研究所, 医員
矢野 健一 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (60230281)
牧野 直樹 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (60157170)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 心筋梗塞 / 細胞外マトリックス / マトリックス・メタロプロテアーゼ / コラーゲン / 心筋再構築 / ATI拮抗薬 |
研究概要 |
心筋梗塞では急性では梗塞部の心筋細胞の壊死や脱落と細胞間の変化が心室瘤や心臓破裂を招き、陳旧性では残存心筋の肥大・線維化から心筋壁は拡張・菲薄化し、心不全や重症不整脈を生じるため、生命予後の重要な規定因子と目されている。申請者らは今まで心筋梗塞におけるレニン・アンジオテンシン系の変化や細胞外マトリックス(ECM)、特にコラーゲンの増加等を報告してきたが心筋梗塞におけるECMの合成と分解に関しては未だ明らかな知見はない。そこで、平成9年度は、雄性ウィスター・ラット(150-180g)の左冠動脈を結繋して心筋梗塞を作成し、術後の1日目から4日目までの急性期において心筋の梗塞部と非梗塞部でのコラーゲンの合成と分解につき検討した。梗塞部ではコラーゲン含量は梗塞後6時間目より低下し始め、24時間後に有意かつピークの低下を示し、48時間後には非梗塞部に比し有意な増加に転じた。非梗塞部ではこの期間には有意な変化はみられなかった。一方、分解に関しては%Lysisは梗塞部で梗塞後3時間目より有意に増加を始め、24時間後にピークに達し、これは正常群の約10倍になるが、その後急速に低下し、48時間後には正常群の約3倍程度に復した。この際、MMP-1,9)の増加がみられたMMP-2は梗塞後6時間目に一過性のピークを認め、非梗塞部については%Lysis、MMPに変化はみられなかった。この非梗塞部におけるコラーゲン含量の低下および%Lysisの亢進の時期に一致してMPO活性の著明な上昇がみられ、急性期の心筋梗塞部におけるコラーゲンの合成・分解の変化には好中球の集積・活性化が大きく関与していることが示唆された。一方、angiotensin II type1受容体拮抗剤であるロサルタン投与はこれらの変化に対し全く影響を示さなかった。平成10年度は、同じモデルで4日目より28日目まで観察した。コラーゲンは梗塞部・非梗塞部ともに漸次増加がみられ、MMP-1は7日目まで漸増して以後減少、増加したMMP-9は7日目より有意に減少を示し、TIMP-1,3はともに急性期より漸増し28日でもさらに増加していた。心筋梗塞のECMの解析ではMMPとTIMPの比に関し、3日目までの急性期、7日目前後および1-2ケ月頃の時期に分けて検討する必要があることが推察された。
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