研究課題/領域番号 |
09670774
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
立花 克郎 福岡大学, 医学部, 助手 (40271605)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 超音波 / 血管治療 / 血栓 / カテーテル / 超音波カテーテル / 再狭窄 |
研究概要 |
近年、PTCA後の再狭窄に対する血管治療の研究が盛んになってきた。再狭窄を起こさないように多くの薬物や遺伝子が開発されつつあるが、血管壁内へ十分に浸透しないため新しい薬物投与カテーテルが検討されている。今回、超音波エネルギーとマイクロバブルを利用して遺伝子(plasmid DNA)を血管壁内に有効に浸透させることができたので報告する。 [方法]日本白色ウサギの腹部大動脈を結紮して先端に発振素子のついたカテーテルを挿入した。カテーテルから血管内腔に蛍光色素ローダミンで標識されたplasmid DNA(100μg)とOPTISON(MBI,San Diego)を0.5ml注入し、超音波を60分間照射した。超音波強度は0.2W/cm^2、周波数は0.95MHzであった。 超音波照射後、2ミリ間隔で超音波発振素子の前後6ミリの血管組織切片を直ちに凍結した。共焦点レーザー顕微鏡にて内皮からの遺伝子浸透量をコンピュータ画像解析で測定した。 [結果]超音波発振素子の近傍で遺伝子が最も多く観察された。一方、発振素子からの距離が増大するとともに遺伝子量が減少した(n=7:p<0.05)。また組織学的には超音波発振素子近傍で血管中膜への深達度が高かった。超音波照射中の発振素子での温度上昇は最高で3.0℃であった。 [考察]本実験にて超音波エネルギーによる血管壁内への薬物透過促進作用が認められた。一方、超音波強度が最も低いと思われた部位の血管組織は、遺伝子の浸透が少なかった。以上の結果から遺伝子を局所的に導入できることが示唆される。将来、臨床面での血管内超音波カテーテルによる新しい遺伝子治療および血管治療薬物投与システムへの応用が期待される。
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