研究概要 |
罹患同胞対法によるアトピー性疾患の発症に関する遺伝子座の同定 【方法】気管支喘息患者を発端者とする68家系140同胞対を対象とした。IL-4gene clusterの存在する5q31.1、及びT-cell receptor(TCR)β鎖のある7q35を候補遺伝子領域とし、これらの領域のDNA多型と喘息およびアトピー/IgE免疫応答性との関係を罹患同胞対法で調べた。 【結果】1.気管支喘息およびアトピーと5q31.1上のIL-4,IL-9およびD5S393の遺伝マーカーとの間には連鎖が認められた(喘息:IL-4p=0.0045,IL-9 p=0.0087,D5S393 P=0.0035アトピー:IL-4p=0.0022,IL-9 p=0.0319,D5S393 p<0.0001)。 2.気管支喘息およびダニ抗原に対するIgE免疫応答性とTCRβ鎖およびその近傍の遺伝マーカーとの間には連鎖が認められた(喘息:TCRβ p=0.0069,D7S684 P=0.0017ダニ特異IgE免疫応答性:TCR-β p=0.0013,D7S684 P<0.0001)。 【結論】以上から、5q31.1近傍には気管支喘息とアトピー形質を決める責任遺伝子が存在すること、7q35TCRβ鎖領域には気管支喘息およびダニ抗原に対するIgE免疫応答性を支配する責任遺伝子が存在することが示唆された。
|