研究課題/領域番号 |
09670792
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
谷内江 昭宏 金沢大学, 医学部, 教授 (40210281)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 高親和性IgE受容体 / IgE / 好塩基球 / フローサイトメトリー / アレルギー / サイトカイン / 乳幼児 / ウイルス感染 |
研究概要 |
乳幼児期におけるアレルギー疾患の発症には、アトピー素因に加え種々の環境要因が関与していることが知られている。特に、乳幼児期早期からのアレルゲン暴露は個体のアレルギー反応を増幅し、結果として「アレルギー・マーチ」として知られる多様なアレルギー疾患の発症を惹起する可能性がある。今回の研究では、主として以下の点に関して検討を加えた。 1) 乳幼児期の末梢血IgE濃度の変化と、好塩基球表面のF_<CE>RI発現との関連について明らかにする。 2) 新生児B細胞によるIgE産生調節機構の検討。特に、CD70/CD27によるIgE産生増強について。 3) 重症アトビー性皮膚炎、ならびに原発性免疫不全症の病態生理研究。 乳幼児期のアトピー疾患症例では血清中IgEは年齢依存性に増加し、末梢血中好塩基球表面のF_<CE>RI発現は急速に増強し、IgEを結合する。In vitroの検討では、好塩基球表面のF_<CE>RI発現ならびにIgE結合はIgE自体により増強された。このような表面抗原発現の増強は新たな蛋白合成に依存し、かつ抗体によるIgEの架橋を必要としないことから、好塩基球での構成的な蛋白合成とIgE結合による受容体蛋白の安定化を反映していると考えられた。 さらに、新生児B細胞を用いた研究では、CD70遺伝子導入細胞をB細胞に添加すると、用量依存性にIgE産生が増強された。CD27陰性B細胞を用いた場合にはこのような効果は観察されなかった。これらの事実は、以前に報告した新生児B細胞によるIgG産生の研究とあわせ、新生児B細胞の形質細胞分化におけるT細胞由来サイトカインならびにリガンドの役割を明らかにした。 また、種々のアレルギー症状を合併する免疫異常症の病態解析を通じて、アレルギー反応の増強に関与する遺伝子異常、サイトカイン産生異常などが明らかにされつつある。
|