研究課題/領域番号 |
09670846
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
新家 敏弘 金沢医科大学, 総合医学研究所, 助教授 (10098858)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 新生児スクリーニング / GC / MS / ガラクトース血症 / ガラクトース尿症 / ヘテロ検索 / ウレアーゼ処理 / 化学診断 / ウレアーゼ処理尿分析 / ウレアーゼ |
研究概要 |
(1)ウレアーゼ処理尿GC/MS分析法によるガラクトース血症の鑑別化学診断を行った。本分析法は尿中有機酸のみならずアミノ酸、糖、糖アルコール、塩基性化合物の同時検索が可能で種々代謝異常症の鑑別化学診断には最適の分析法である。 (2)分析対象は生後5日目の新生児ろ紙吸着尿を用い、2年間で約4300検体の分析を行った。 異常排泄増加の目安とした平均値+3SDの値を超えた検体が1.2%認められた。他の代謝疾患が0.4%以下の発見率であることを考えると非常に高い発生頻度であった。 (3)ガラクトース高排泄者はガラクトースのみの排泄が増加していた新生児であり、ガラクトース血症I型患者やII型患者でみられる、ガラクチトール、ガラクトン酸の排泄増加は観測されなかった。既に診断のついているガラクトース血癌患者の尿分析では、I型では肝障害を反映したチロジン異化中間体の4-ヒドロキシフェニル乳酸の同時排泄が認められ、I型とII型の鑑別は4-ヒドロキシフェニル乳酸の排泄増加の有る無しで可能であった。また、無症状のIII型部分欠損患者では、ガラクトースのみが排泄増加しており、その排泄量は新生児平均値+13SDであった。 (4)ガラクトース尿症新生児で+10SDを越えていた検体は15検体で異常と判定した29%であった。これらの患者では特に血中のガラクトース高値の情報は得られなかったが、血中ガラクトースが5.2mg/dl(カットオフ値は5mg/dl)の患者尿を分析したところ尿中のガラクトース値は+25SDを示した。即ち、新生児ガラクトース尿症のうち、少なくとも+10SDを越えた検体は血中ガラクトース値高値が指摘されていなくてもカットオフ値に近い値の検体であることが推測された。 (5)新生児におけるガラクトース尿症は、糖代謝酵素の未成熟により部分欠損あるいはヘテロ患者でその影響がより強く出て血中ガラクトースの上昇が起こり、尿ガラクトースの排泄増加が起こると考えられる。尿中ガラクトース検索により部分欠損患者あるいはヘテロ患者の検索も可能と考える。
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