研究課題/領域番号 |
09670848
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
縣 裕篤 愛知医科大学, 医学部, 講師 (80288505)
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研究分担者 |
鶴澤 正仁 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (90172064)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 食物アレルギー / アトピー性皮膚炎 / リンパ球増殖反応 / フローサイトメトリー / IFN-γ / IL-4 / リンパ球幼若化反応 / 小児アレルギー / 細胞内サイトカイン |
研究概要 |
1. 対象および方法;鶏卵アレルギーが疑われたアトピー性皮膚炎を対象に、鶏卵負荷試験を施行し、末梢血リンパ球・単核球(PBMCs)を用いて、ovalbumin(OA)刺激リンパ球増殖反応、cutaneous lymphocyte-associated antigen(CLA)発現、細胞内サイトカイン産生をフローサイトメトリー(FACScan)で測定した。 2. 結果; (1) 食物抗原刺激リンパ球増殖反応 年齢による検討では2歳未満までは低年齢ほど、卵白特異的IgE抗体値による検討ではスコア3以上で、S.1.がそれぞれ高値を示した。また、卵白負荷試験陽性例では、陰性例に比べ有意に増殖反応が認められた。 (2) 感作Tリンパ球の臓器特異性 OAで増殖反応を示したリンパ球は、卵白負荷試験陽性例でCLA発現が増強していたが、陰性例では、CLA発現の増強は認められなかった。よって、OA刺激で感作されたTリンパ球は、臓器特異性を持つに至った。 (3) 細胞内サイトカイン産生 IFN-γ産生は健康児と有意差がなかったが、IL-4産生が有意に亢進していた。また、鶏卵除去療法により卵白特異的IgE抗体に変化がみられないうちに、IFN-γ産生は増加していった。 3. 結論;鶏卵アレルギーのあるアトピー性皮膚炎の患児では、卵白抗原のOA刺激により末梢リンパ球は増殖反応を示し、増殖した細胞ではCLA発現も増強していた。また、実際の鶏卵負荷試験とも一致しており、in vitroでの食物アレルギーの診断が可能であった。また、鶏卵除去療法により、サイトカイン産生に変化が認められ、細胞内サイトカイン産生の測定は、卵白特異的IgE抗体よりも、除去療法の早期の指標に有用であると考えられた。 4. 今後の展開;細胞表面抗原を同時染色し、リンパ球のどのsubpopulation(CD4+あるいはCD8+)が増殖反応をしているのかフローサイトメトリーにより検討している。また、CLA発現、サイトカイン産生についても、CD4+あるいはCD8+のsubpopulationで反応に差があるかどうかを検討している。現在、IL-5,IFN-γ,IL-4,IL-10のmRNA発現をリンパ球レベルで解析しているが、assay上の問題をクリアする必要が残っている。
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